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第93話

メールは夜11時過ぎに来ていた。 ついさっきだ…。 案の定みずきからのメール… 『俺は今、仕事が終わった所、アキラは休憩、何時から何時までだ?余裕があれば教えて欲しい』 あいかわらずな内容を見て、アキラは微笑み… 『お疲れ。今から2時まで休憩、仮眠するから起こすなよ』 簡単にそっけないメールを返す。 マイペースなアキラらしい。 そして目覚ましをセットして寝る体勢に入る… 直ぐ後、またみずきからメール… 『わかった…おやすみ、アキラ』 「はいはい、おやすみ」 そのメールにのんびりした言葉でだけ答えるアキラ… みずきはホント、マメな奴…。 それとも、必死なのかな… 傍に居られないから、気持ちだけでもって… オレは… 丁度良かったって思ってるのに… 独りで終える18歳… 独りで迎える19歳… それが…オレらしくていい。 そのまま瞳を閉じ、しばしの休息をとるアキラ…。 仮眠をしている間に日付は変わり、1月13日、1時45分。 携帯のアラームで目を覚ますアキラ… 浅い眠りだったのですぐ起き上がり、台本をもう一度確認する。 NGは少なくして早く終わりたいから… 10分ほど台本に集中していたアキラ、不意に携帯が鳴る。 「ん?」 見ると、みずきからのメール… 「まだ寝てないのか、あいつは…」 やれやれと、声を出し内容を見る。 『今、電話してもいいか?』 わざわざ聞いてくる所がみずきだな…と笑ってしまうアキラ。 『1分だけならいい』 そう、意地悪なメールを返す。 すると案の定、すぐ電話がかかってくる。 かけ主は当然みずき。 「…はい?」 溜めつつ電話に出るアキラ。 『あ…俺だけど…』 みずきは詰まりながら言う… 「分かってるって、何?」 『ごめん、言っておきたくて…』 アキラの口調を聞いて、怒らせてしまったのかと謝る… 「だから何?」 相変わらずなみずきに冷たいふりをして本題を促すアキラ… 『あぁ、…19歳、誕生日おめでとう…アキラ』 優しい声が耳に届く…

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