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第102話
「先輩、動けます?」
カズキもアキラに覆い被されて、どうしようかと戸惑っている模様…
「…カズキ」
フルフルと首を振って…動けないと伝えると…
「よっ」
小さくかけ声をかけ、左手でアキラを支え…右手と腹筋でアキラもろとも起き上がる。
「ァっ…んッ」
その瞬間、クッとカズキが奥に進入してきて、声が漏れ息をつく…
「スミマセンっす」
アキラの色っぽい声に中枢神経を刺激され…性衝動をかきたてられるが…
ぐっと抑えて、優しくアキラを横たえ、自分のものを抜いていく…
「っん…はぁ、…キツかった」
乱れた呼吸を整えながら…そう呟く…
「す、スミマセン…」
アキラの言葉を聞いて、小さく謝るカズキ…
「バカ、お前が謝るなよ…フォローありがと、上手かったよ…」
血のりでかなり口や身体が汚れているアキラだが…裸体を曝し転んだまま見上げられ褒められると、たまらなくなり…カズキはアキラに抱きつく…
「おいっ、こら…カズキっ」
アキラは少し驚いて言うが…
「サクヤ先輩…約束、覚えてますか?」
そう囁く…
「…覚えてるよ、携帯のメールアドレスだろ?」
息をつき答える。
「はいっ」
瞳を輝かせるカズキ…
「まぁ、カズキはホントNGださなかったもんな…オレの方が迷惑かけたし…」
「……」
アキラの瞳を見つめたまま言葉を待つカズキ…
「…わかったって、アドぐらい教えるから…お疲れさま」
カズキの肩をトントンと軽く叩き、そう伝えるアキラ。
「ありがとうッス!嬉しいッス!」
素直に喜んで…耳もとにキスをするカズキ。
「こらっ…いい加減離れろって、挨拶出来ないだろっ」
軽く叱りながらいう。
「すみません…」
カズキはおあずけくらってかなりツライのだが…
そんなコトまで気にかけている余裕のないアキラ…
ようやく起き上がり…
バスローブを羽織り、監督の元へ行く…
残されて、かまってもらえなかった犬のようにしゅんとするカズキ。
「先輩、ありがとうございました…」
軽く頭を下げて、監督と助手に挨拶する。
「…お疲れさん、ええのが撮れたでサクちゃん…、また、寂しゅうなるけど…元気でがんばるんやで」
監督は、アキラの頭を優しく撫でて…
顎を指2本でくいっとあげ…軽く唇にキスをする。
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