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第104話

「はい!」 頷き、見届けてから自分も身体を洗う為、となりの個室へ消えるカズキ。 「あの…先輩?」 シャワーを浴びながら、すぐ声をかける。 「んー?」 「聞いてもいいっスか?」 続けて聞く。 「…駄目」 カズキの言葉に、からかうようにお断りするアキラ。 「えっ?」 断られるとは思わなかったので…言葉に詰まったカズキに… 「嘘だよ、ナニ?」 くすくす笑って聞く… 「もう。サクヤ先輩、俺のコトどう思ってますか?」 軽く溜息をついてカズキは静かに聞いてみる。 「…うーん、後輩」 少し考えるふりしてそう答えるアキラ。 「そうじゃなくて…」 そりゃ後輩だけど…大きな溜息と苦笑いのカズキ。 「はは、嘘だよ…お前のコト?まぁ可愛いし、嫌いじゃないよ…」 微妙な答え。 「…可愛い?」 どう考えても先輩の方が可愛いのに… 「そう…、なんかオレ、やっぱ年下に弱いなのかな…」 そう呟くアキラの言葉を聞いて… 「えッ…先輩の恋人って年下なんスか?」 それなら自分にもチャンスが…と思って聞くカズキ。 「ううん、年上」 アキラの答えに… 「えー?なんすか、それは…」 「はは…こういう奴なんだよオレは…」 シャワーを止めながら笑って言う。 添えつけのタオルで髪と身体をさっと拭き、持ってきていた服を着て…シャワー個室から出る。 「…先輩?」 「お前はすぐ帰るんだろ?帰る前に個室6号に寄って、約束のアド教えるから…」 アキラはまだ出て来ないカズキに言い… カズキを置いて行く… 「あ、待ってくださいよ!」 慌てて支度して追いかけるカズキ。 先に行って廊下を歩いているアキラに追い付く… 「あれ?ゆっくりしてればいいのに…」 少し驚いた感じに見返すアキラを見て… 「そんな…サクヤ先輩…」 ガクっと肩を落とすカズキ、それを横目で見て、薄く笑って… 「…勝手だろ?オレって…」 アキラは呟く… 「…えっ?」 歩きながら聞き返す。 「…たぶん、オレなんか相手にしてたら疲れるだけだぜ…」 前を向いて歩きながらそう伝える。 「…先輩でもそういう風に言うことあるんですね…」

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