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第114話

「ん?お、ユウじゃねーか!?久しいなぁ」 後から出て来たナギは、みずきに気付いて驚いて声をかける。 「な、ナギ先輩…」 みずきもやや動揺する… アキラと2人で出てきている時点でショックであり… アキラの髪型が昨日と違うのに戸惑いつつもドキドキしてしまい… ハテナだらけのみずき。 「今何してるんだ?たまに来るのか?店…」 ナギは久しぶりに会ったみずきに矢継ぎ早に聞いてくる。 「え…いえ、あの…」 「全然変わんねーなぁユウは、一年ぶりくらい?」 みずきの動揺などお構いなしに会話を続けるナギ。 「……」 そんな2人をハタから見て、アキラは… (今なら逃げれる…) けど…待たせたみずきを置いていくわけには… でも、止めに入る元気もないし… 「……」 少し考えて様子を見守ることにするアキラ。 ナギはすぐ仕事が入ってるし、長くは絡まないだろうと踏んで… 「何、入ってけよ?今来たんだろ?」 ナギは肩を抱き軽くみずきにスキンシップを図りながら誘い込もうとする。 「いえ、帰るところです。すみません」 謝りつつ、はっきり断るみずき。 「そうか、残念だなー、今度来た時は教えろよ?」 みずきに触れていた手を引きながら呟くナギ。 みずきは質問攻撃から解放されると思って少し安堵する…が、不意にナギは、みずきの腰を抱き寄せ、驚いて顔を上げたみずきに口づける。 「…っん!?」 (あーぁ、) みずきまでナギの餌食になっている光景をぼーっと眺めているアキラ。 「ッ!…先輩!!」 素早く力でナギを押し退ける。 かなり狼狽した様子だ。 「チェ、入れさせてもらえなかったか…」 舌をぺロっと出して残念そうに呟くナギ。 「…っ、」 焦躁で言葉がでないみずき。 (アキラが見ている前で…アキラの目の前で!) ぐるぐるとショックで言葉が頭の中をかけめぐり… アキラの方に視線を向けてしまう。 「……」 バチッと、アキラはみずきと視線が合うが… (…あ、) なぜか…その伺うような瞳から微妙に目を逸らしてしまう。 アキラに視線を逸らされ、衝撃でクラっと目まいがしそうになるみずき。

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