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第117話

時間にすると数10分だが、アキラは疲れた身体をゆっくり休める。 「…ほらよ、着いたぜ!」 言われた通り黙って運転していたヨシが、後ろの2人に到着を知らせる。 「ありがとう。…アキラ、アキラ?」 気は引けたが、軽く肩を揺すって起こすみずき。 「ん…」 浅い眠りだったのか、瞬きをしながら瞳を開く。 「着いたぞ…」 「もう…?」 「…布団で寝ないと、疲れがとれないから行こう…」 「……」 一応、ナギのベッドで数時間は休んだのだけど… まばらにしか寝てないのでまだ眠りたいアキラ。 みずきの言葉に頷く…。 「気をつけて…」 言葉をかけ、アキラを車から降ろすみずき、そして車にいるヨシに… 「少し上がっていくか?」 声をかける。 「いいのか?」 ヨシは嬉しそうに聞いてくる。 「あぁ、今日は無理を言ったし、あと一仕事頼んでるしな…」 「あれな、よくやるよなぁお前も…」 「あぁ、誕生日だし、アキラの喜ぶ顔が見たいからな…」 ぼーっと目を擦っているアキラの顔を見て囁く… 「ん?早く行こ…、眠たい」 そのアキラは会話の内容など気にもせず、ポソッと言って、1人で歩き出す。 「アキラ、待って…」 少し慌てるみずきに… 「じゃ、車置いてくるからな」 ヨシは軽く笑って言う。 「あぁ、勝手に上がっててくれ」 ヨシに返事して、眠そうなアキラが転ばないように心配しながら、寄り添って歩いてアパートへと帰るみずき。 《BOUSとの決別》終

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