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第121話

「えー、焼かねーだろ…たぶん、料理しねぇからわかんねーなぁ、待ってろ」 料理に疎い2人でいくら考えても分からないと思ったヨシは携帯電話を取り出してかけている。 「誰に?」 「ん?料理に関しちゃプロがいるだろ、もしもし?俺、俺!」 みずきに返事しながら、既に電話をかけている。 『…ヨシ?何?なんか用?』 相手はやはりルード。 突然のヨシからの電話に驚くこともなく普通に聞いてくる。 「いや、聞きたい事があって…」 『何を?』 「スパゲッティの作り方!」 『はぁ?』 いきなり何いってんだよ、と疑問なルード… 「暇だったら教えてくれよ」 『ヨシ食いたいの?』 「いや、俺じゃなくてみずきに聞かれてな」 『みずき?居んの、そこに』 「あぁ、今みずきん家にきてんだ、ちょっと代わるからな」 「えっ…」 成り行きを伺っていたみずき、いきなり電話をまわされて戸惑う。 『スパゲッティ、アキラが食べたいとか言ったんだろ?』 少し笑っているような声でいきなり図星をさすルード。 「え、なんで分かったんだ…?」 『だって、アキラの好物だし、みずきが聞いてくることはアキラ関係のことばっかじゃん』 「……」 なんだか見透かされているな…と苦笑いのみずき。 『俺、今日夜まで暇だから教えに行こうか?』 「いい…のか?」 俺に料理を教えても…とたずねてしまう… 『うん、恋人ならアキラの好きな食べ物くらい作れなきゃ…でも、みずきを応援してるワケじゃないからな!アキラが好きなものをすぐ食べれるようにって思うからさ』 一応、ライバルは牽制する。 「あぁ、わかっているよ」 少しトゲあるルードの言葉だが、好意は受けるみずき。 確かにアキラの好きな食べ物ぐらい作れないと、完全にルードに負けたままだから… 少しでも努力してアキラの興味をひけるようにしておきたい… 最近料理を始めた俺だから、ルードの料理には勝てるワケないのだけど… 恋敵のルードに教えをこう事に、劣等感を感じないわけではないけれど、それでも、もう二度と、アキラから… 『お前に飽きた』なんて言葉を言われない為に… そんな劣等感なんかは捨てておける。 元々、何の取り柄もない自分だから…。

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