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第124話
「そうか…」
やはり、複雑な気分で頷くみずき。
「みずき、アキラに聞かないの?好きなものとか」
「…聞いても、なんでもいいって言うばかりで、スパゲッティもやっと聞き出したんだ」
「はは、でもアキラ意外と、押しに弱いんだよな…」
みずきの言葉を聞いて、頷くように笑うルード。
そこへ…
「ナニ話してんだよ」
ヨシが自分も混ぜろといわんばかりに調理を覗きにくる。
「ヨシは向こうで待ってろって」
ルードに言われるが、ヨシは理由をつけて戻ろうとしない…
狭いキッチンに男3人。
定員オーバーだが、結構賑やかに話しながら作っている…
それでも、疲れて眠るアキラは起きる気配はない…
「みずき、だいたい作り方、わかった?」
ルードは副食のスープとサラダを作って、メインの和風スパはみずきが作る。
「あぁ。ヨシ、これ、お前が食べたらいい、食べたかったんだろう?」
練習で作った1人分の和風スパをヨシにすすめるみずき。
「おー、サンキュ!みずきは食わねぇのか?」
喜びながら、聞くヨシ。
「俺は後で食べるから…」
皿をテーブルへ運びヨシへ伝える。
「そっか、じゃルードは?」
「俺、食べてたら7時に間に合わないからいいや」
「送ってやるから、一緒に食っていけよ、1人で食うのもなんだし」
ヨシはルードを食事の友に誘う。
「そーだな、じゃ食って行こうかな…」
送ってもらえるのは助かるので、喜んで頷くルード。
「俺が作っていいか?」
ルードが食べる分の和風スパを練習で作らせてくれ、と聞くみずき。
さっきはルードの指示に従って作っただけなので、実際に自分1人で作ってみたかったのだ。
「うん、じゃお願い、なるべく手早くな!遅れたくないからさ」
調理はみずきに任せて、ルードはヨシに英会話教室までの行き道を教えている。
「あぁ…」
みずきは頷き、練習をはじめる。
言われた通り、急ぎぎみに、だが正確に作っている。
「はい、どうだろうか…」
ルードに出来上がったものを持ってきて、出来具合を確認する。
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