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《誕生日》

そして部屋は静まり返る。 みずきは、アキラの様子が気になり奥の寝室へ足を運ぶ… (…眠ってる) 様子を見ると、規則正しい寝息で眠るアキラ。 しばらく傍に付き添っていたが…起こしてはいけないのでアキラに触れることなく… 洗いものを片付ける為、部屋から出るみずき。 だいたい用事を済ませると、寝室へ戻る。 部屋の端に簡易の机と椅子を置いてありそこへ座って微かな明かりをつけ、雑誌に目を通しながら、アキラと同じ部屋で時間を過ごす。 時刻は、夜7時を過ぎた…。 かなり熟睡しているアキラ…起きる気配はないようだ。 そろそろヨシが届けに来る頃だろうかと…椅子から立ち上がる。 「…ん」 それと同時にアキラが寝返りをうつのが見え、枕もとに近づくみずき。 「んー、みずき?」 気配を感じたのか瞳を閉じたまま聞いてくるアキラ。 「あぁ、ここにいる」 アキラの髪にそっと触れながら答える。 「今、何時?」 アキラは触れてきたみずきの手に触りながらぽつりと問う。 「丁度、7時を過ぎた所だ」 「そっか…ふぅ、気持ちイイ…」 ぱちぱち、とまばたきをして瞳をあけて、みずきの少し冷えた手を首筋に充てて微笑むアキラ。 「…まだ、休みたいなら、横になっているといいから…」 アキラのその仕種に、ちょっぴりドキドキしながら、みずきは気遣う言葉でごまかす。 「ううん、良く寝たし…もう起きる、よっと」 アキラはみずきの腕に助けられつつ起き上がる。 そして伸びをして、あくびをひとつする… そんな姿もやはり可愛いと思うみずき。 「…おはよう、どうする?」 起き上がり、少しウェーブがかった茶色の髪を手ぐしで軽く整えているアキラに聞く… 「うーん、風呂入りたい、沸いてる?」 「あぁ」 「アリガト、じゃ、入ってくるから…」 そう言うとベッドから立ち上がり歩いて部屋からでる。 みずきも後からついて行き… 「アキラ、食事は?」 問い掛ける。 「んー、じゃ、風呂から上がったら食べようかな…」 一口でもいいから食べて欲しい、というような目で問うみずきにおされて頷き答える。 「わかった、風呂は1人で平気か?」 良かったと微笑むみずき… 脱衣所まで来て問う。 「大丈夫!」 服を脱ぎ始めながら言う。 「あ…じゃ、何かあったら呼んでくれ」 みずきはそう伝えるとそそくさと脱衣所をあとにする。 「ふっ、はいはい」 いつ見てもみずきの反応は面白いなぁと…笑いながらお風呂に入るアキラ。

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