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第133話
「アキラ…?」
そんなアキラを見て、どう言葉をかけたらいいのか困惑するみずき。
「みずき、今後はオレのことで、けんじさんに協力求めたりしないで欲しいんだ…」
アキラは息をついて伝える。
「どうして…けんじ先生は、アキラのことをすごく気にかけていて…」
みずきがそう話すと、言葉に割り込むようにアキラが…
「みずき!…オレは、オレはな…出来るかぎりけんじさんに迷惑をかけたくないんだ…」
そう強く言う。
アキラの感情の変化に犬たちも心配そうに様子をうかがっている。
「アキラ…」
みずきもアキラの言葉に、名前を呼ぶことしかできなくて…
「……」
アキラは、無言になり、健次からのプレゼントの包みをあける。
「…オルゴール」
中身は西洋風な装飾がしてある小さなオルゴールだった。
ぽつりと呟くアキラ。
「あぁ…」
頷いてみずきはアキラの様子を見守る…
アキラは片手にオルゴールを持ったまま、自分の携帯電話を取る。
ちらっと時間を確認して…すぐかけはじめる。
「……あ、甥の楠木アキラですが、楠木健次院長…今、繋がりますか?」
電話先に聞いている。
アキラが電話をかけた場所は…やはり健次の所…
事務を伝って健次に電話を繋いでもらう。
『はい、アキラ?電話ありがとうございます』
「今、時間大丈夫?けんじさん…」
『えぇ、構いませんよ…本当はこちらから連絡しようと思っていたんですが、書類整理していたらいつのまにかこんなに時間がたっていたんですね…』
優しく答える健次。
「やっぱり仕事中?」
『いえいえ、アキラと話をするのは、息抜きに丁度いいですよ。アキラ、誕生日おめでとうございます。プレゼントは届きましたか?』
健次はアキラの気遣いを汲み取って聞いてくれる。
「うん…オルゴールありがとう、健次さん…あの、メアリーとリッツ…」
『2匹もちゃんと届いたようですね…よかった』
「すみません、なんか預かってもらって…」
『あぁ、そのことでしたら、気にしなくてもいいですよ、手紙にも書きましたが、アキラに会わせたあとは、またこちらで引き取り飼おうと思っていますから…』
「えっ、でも…」
『鈴鹿さんの所はアパートらしいので犬は駄目ですよね…うちは病院ですが、入院中の子どもたちには、動物がいた方が喜びますし、犬たちも動物病院のオリのなかよりは、のびのび出来ると思います…』
「…けんじさん」
健次の厚意の言葉を、申し訳なく思いながら聞く。
『メアリーとリッツは元々僕がプレゼントした犬ですから責任もあります。などと言って、本当は犬たちを僕の病院に招くことで、アキラがウチに出入りしやすくなったら…と思ったりもしまして…だから、ぜひこちらで犬たちを引き取りたいんですよアキラ』
丁寧にアキラに願い伝える健次。
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