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第137話

「アキラ?」 ぽつりと呼ぶみずき。 「ん?」 「…最後の、ひとつ、言ってもいいか?」 「え?あぁ、3つ目のお願い?いいよ、何にする?」 「…できれば、犬達は、寝室に入れてほしくない…な」 少し遠慮ぎみに伝えてみる。 「ふっ、寝床まで取られたくないって?」 「あぁ、俺の今度の休みまでウチで預かるつもりだから…それまでアキラに触れられないのは…結構つらいかも…」 苦笑いぎみのみずきをみて微笑んで… 「ふふ…わかった、じゃそうしような」 やはり犬たちに向かって言っている。 「…でも、アキラが犬達と一緒に寝たいなら…俺は…」 「…ばか、気ィつかいすぎ…」 やれやれ、と溜息ついて… みずきの頬に触れ、うにーと引っ張った後、アキラから口づける。 そっと唇を重ねたあと、静かに離れ今度は犬に… 「…この人は、オレの恋人、邪魔しちゃダメ。OK?」 そう2匹に教えているアキラ。 犬達は、くゥん…と首を傾げ鼻を鳴らしている。 「アキラ…」 そのアキラの言葉が嬉しくて笑顔がこぼれるみずき。 アキラの大切な犬たちよりも自分を優先してもらえたのが嬉しくて… 「…ふ、」 こんな単純な言葉に喜ぶみずきを見て、微かに笑う。 「あ、もう9時半か…」 みずきはふと時計に目をやって呟く… 「ホントだ、みずき、フロまだなんだろ?入ってこいよ」 「そうだな…アキラは、そろそろ休むか?」 みずきは床から立ち上がりながら聞く… 「ううん、まだ眠くないからメアリーたちとここにいるよ」 犬たちにべったりなアキラ。 「そうか…少し熱があるようだから、無理しないようにな…」 アキラの額に触れそう囁く。 「平気、平気」 みずきのいつもの心配も軽くかわすアキラ… いってらっしゃいと手を振る。 「…あぁ。そうだ、これ…アキラのズボンから出てきた名刺…捨ててもいいか?」 机に置いた勧誘系の名刺をアキラに渡し聞く… 「ん?あぁコレ、いいよ興味ないし…っていうか勝手に捨てればいいのにな、律義な奴」 クスクス笑って名刺をみずきに渡し言うアキラ。 「あぁ、じゃ…」 ヨシにも同じようなことを言われたななどと思いつつ、アキラの言葉に安心して名刺をゴミ箱へ捨て、みずきはフロへ入りに行く。 アキラはみずきが帰ってくるまで、犬たちと過ごして待っている。 とおもいきや… 「メアリー?どこ行くんだ」 茶色の毛足の長い1匹の犬がアキラを呼ぶように玄関の方へかけていく… アキラは犬の後をてくてくついていく… リッツもアキラの後をついて行っている。

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