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第138話

「ん、どした?メアリー、外行きたいのか?」 入口のドア前に座って待っているメアリー。 「今日はここに泊まるんだぞ…?メアリー、Stay」 そう言い聞かすが、動かない。 「…ん、もしかして散歩行きたいのかな?…でも、夜遅いし…」 散歩と聞いて目が輝く犬たち… 「分かった、アパートの前だけな、寒いし…」 アキラは頷いて、一枚羽織るものを着て犬たちと外へ出る。 今日は移動とかで犬たちは散歩できてないのかな?とか思って、少しだけ外に出すことにするアキラ。 「ふー…寒っ」 一月なかば、犬たちは外に出れて大喜びだが、アキラはかなり寒い様子…だが、犬たちの嬉しそうな様子をみるとすぐに帰るのは可哀相だなと、入口ドア近くの壁に寄り掛かり犬たちの様子を見ている。 その頃、みずきは、なにも知らず風呂から上がって服を着、部屋に戻ってくる。 「…アキラ?」 (えっ…) そこに居るはずのひとがいない…。 犬まで… みずきは水分補給をする間もなく、アキラを探しだす、あまり広くないアパート内… 探すところは限られ、室内にはいないことがすぐ分かる。 アキラがいない事で、不安感に焦る心を抑えつつ… 「…外に?」 この寒い中、こんな時間に…どこへ? 心配で仕方ないみずき。 走って玄関のドアをあけてしまう。 「…っ、アキラ!?」 戸を開けるとすぐに視界に飛び込んできた影に、驚きひとまず安心するみずき。 「わっ…何、フロもう出たのかみずき?」 アキラも驚きつつ聞いている。 「あぁ…何やってるんだ、身体が冷えるだろう…」 白い息を吐くアキラを見て、ぎゅっと抱き寄せながら言うみずき。 「ん…、そろそろ戻ろうと思ってたトコだけど…」 「……?」 「こいつらが出たいっていうから…、ホラ、みずきだって湯冷めするだろ!早く入れよ!」 犬たちを目でさしていい、みずきに逆に言い返しているアキラ。 「…アキラ、一緒に…」 みずきは息をついて、アキラの手を握り…やさしく引く… 「わかったって、メアリー、リッツ!」 犬に声をかけ…部屋に入れつつ、みずきに手を引かれていくアキラ。 手を繋いだままソファに座る2人…。 「…みずき?」 なかなか手を離してくれないみずき… 軽く首をかしげて呼ぶアキラ。 「……、もう…心臓が止まるかと思った」 大きくため息をついてもう片方の腕でアキラを抱き寄せる。 「…ん?」 「…なにも言わずにいなくならないでくれ、すごく焦った…」 アキラがいないという感覚はみずきにとって一番恐いこと… 「あぁ、オレが部屋にいなかったから?」 アキラはみずきの心理を理解して頷く… 「こんなに冷えて…」 頬に触れてもう一度溜息をついて… 「少し出ただけだから、オレは平気だけど…」

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