137 / 145

第139話

「痛…っ、」 アキラの言葉の途中で、みずきは少し顔を歪め胃をおさえてポソッと痛みを訴える。 「大丈夫か?ごめんな…」 それを見てアキラは心配してみずきの手の上から患部に触れて謝る。 そして続けてみずきに… 「みずきがフロから上がるまでには戻るつもりだったから…」 心配させるつもりはなかったと伝える。 「…いや、大丈夫だから、ありがとう」 アキラに心配してもらえた… それだけで凄く嬉しいみずき。 上目づかいに見つめられ触れられ、痛みよりも心臓がドキドキしてしまう。 「ん、…みずきもお茶でも飲んで、もう寝ようか…」 みずきを心配してか、そうすすめるアキラ。 「あぁ、分かった、行こうか…」 みずきはアキラがそう言うなら、とアキラに付き添って歩いていく… 隣の部屋に入る前、犬たちに立入禁止と教えて、2匹をソファに戻すアキラ。 そして部屋の戸を閉める。 「…どうぞ、入っていて」 アキラを先に布団へ促す。 「ありがと、みずきは?」 ベッドサイドに座りながら見上げてきく。 「俺は、風呂掃除と…電気とかの後始末をして、お茶を飲んでくるよ…」 優しく答えるみずき。 「ウン、あ、胃薬いる?」 軽く手を引いて聞く。 「いや、もう大丈夫だから…気にしなくていいよ」 なおも心配してくれるアキラの頭を軽く撫でて微笑み… 少しだけ部屋を出るみずき。 急いで用事を済ませ、愛しいアキラの元へすぐ帰ってくる。 すでに布団の中のアキラ。 「アキラ…ごめん」 静かに断ってアキラの隣へ入いる。 「みずき…」 するとアキラがぽそっと囁き…みずきへ寄り添ってくる。 「アキラ…?」 いつもは自分がアキラを抱き寄せているのだが… 今日はアキラから傍に寄ってきてくれる。 珍しい行動に驚きつつ、アキラを腕の中に抱くみずき。 「…みずき」 「どうした…?」 そんなアキラを見つめながら…聞いてみるみずき。 「…しても、いいよ?」 艶っぽい言葉とともに、みずきに触れてくるアキラ。 柔らかく誘う… 「っ!…な、アキラ?待っ」 かなりびっくりして、アキラの手を止めてしまうみずき。 「みずき…?」 なんで?と問い返してくる瞳に… 「今日は…」 緩く首を振って止める。 みずきも終撮経験はあるので何となく大変さは分かるし、今日のアキラの疲れ具合を見ても無理させたくなかったのだが…

ともだちにシェアしよう!