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満員電車の悪夢④
Side 痴漢男(※痴漢男の視点です。引き続き回想)
それ以来、私は名前も知らない彼を探し続けた。
もう深夜のあの街で見かけることはなかったが、あの終電のない時間にこのあたりにいるということは、この辺に住んでいるのだろう。
仕事も納期が終わり、少し余裕が出来てきたその時間を、全て彼の事を調べるために費やした。
もはやストーカーじみていたと思う。
そして、数カ月後、制服姿の彼を見つけたときは心が踊った。
何時にどの電車に乗っているのか、どこの高校に通っているのかがわかった。
私は仕事を辞め、その高校の近くの会社の派遣社員となった。
全ては、彼と同じ電車に乗り、彼と接点を持つためだ。
その為ならこんな仕事など、どうでもよかった。
だが、流石に退職するまでは時間がかかった。
ようやく、仕事を辞めることができ、彼と同じ電車に乗ったときは、それだけで堪らなく幸せだった。
だが、許しがたい出来事が起きた。
彼は痴漢されていたのだ。
恥ずかしそうな顔で身体をよじる彼。
彼の身体に触るなんて、なんて許しがたい行為なんだ。
私は怒りに燃えた。
だが、それ以上に私は羨ましかった。
痴漢される彼を見て、胸の鼓動が鳴り止まない。
頬を染め、肩を震わせ、じっと下を向いて耐える彼。
そんな彼の悶える姿に私はとてつもなく興奮した。
そして、彼を痴漢した男に激しく嫉妬をした。
私も触りたい。
彼の白い肌に触れ、あの日透けて見えたピンク色の突起を摘み、彼の全身を撫で回し、感じさせ、喘がせたい。
めちゃくちゃにしたい。
その日、私は理性を捨てた。
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