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消毒という名の乳首責め①

※満員電車の悪夢の後日談です。 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽ 「お前、痴漢にあったんだって?」 ひよしさんに唐突に言われ、僕は飲んでいたオレンジジュースを吹きそうになった。 「…ッ、なんで、知ってるの?」 あまりに唐突に聞かれたので、素直に聞き返してしまった。 「やっぱそうなのか。生徒で、見たって奴がいたんだよ。お前が冴えない男に痴漢されて、連れ出されたのを」 ひよしさんが近付いてきた。 「お前はまた自覚が足りない」とか言って怒られるのかと思い、僕は身を固くした。 でも、ひよしさんは僕のことを優しく抱きしめてくれた。 「怖かったな」 ひよしさんが僕の頭を撫でてくれた。 温かい。 そのぬくもりに涙が出そうになった。 「何をされたか教えてくれるか?」 「う、うん」 僕は自分がされた事を全て話した。 最初は電車内でお尻と胸を触られて、そのまま車に連れ込まれてシャツを脱がされて、また胸をしつこく触られた事。 車のナンバーを咄嗟に覚えたのを盾にして、逃げてきた事。 ひよしさんは、怒りをあらわにしながらも黙って聞いてくれた。 「それで全部か?」 「うん」 「扱かれたり、挿れられたりはしてないんだな?」 「…うん、大丈夫」 ひよしさんの表情にほんの少しだけ安堵の色が見えた。 「なんですぐ言わなかったんだ?」 「だって…ッ、恥ずかしかったし、ひよしさんに心配かけたくなかったから」 そういう僕をひよしさんは、「バカだな」と言って、またぎゅっと抱きしめてくれた。 不思議だ。 ひよしさんにそうしてもらうと気持ちが落ち着く。 ひよしさんが僕にキスをしてきた。 「んぅっ、ぁ」 長く、優しい口付だった。 口腔に舌を入れられ、甘えたような声が出てしまう。 唇を離したひよしさんが言った。 「じゃあ、空。消毒が必要だな」 「消毒?」 「あぁ、その痴漢野郎に触られたところを俺が全部消毒してやる」 ひよしさんは僕を抱きしめたまま、両手をお尻の方に伸ばした。

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