181 / 284

続続・かなてぃの恋⑪

「かなてぃ…?」 僕は驚き、小さく問いかけた。 かなてぃは僕の姿を認識すると駆け寄ってきた。 僕の前まで来ると、かなてぃはまっすぐに僕の方を見て言った。 「結城、俺が今から話す事、聞いてくれるか?」 僕は訳が分からなかったけど、小さくコクリと頷いた。 「結城、その…、あ、まずは、ごめん。結城のこと避けたりして、悲しませて本当にごめん。怖かったんだ。結城に嫌われたと思って、顔を合わせるのが怖かった」 かなてぃは言葉を探すように考えながら話をしてくれた。 手を開いたり閉じたりしている。 それは、かなてぃが緊張しているときの癖だ。 僕はゆっくり口を開いた。 「僕、かなてぃのこと嫌いになんてならないよ。何があっても、僕はかなてぃのこと嫌いになんてならない」 かなてぃが何で僕に嫌われたと思ったのかはよく分からなかった。 でも、僕はかなてぃの事を嫌いになったりしない。 何があってもそれだけは変わらない。 「そっか…、よかった。」 かなてぃは安堵の表情を浮かべた。 そして、今度は何かを決意したような顔をして言った。 「結城。俺は結城の事が好きだ」

ともだちにシェアしよう!