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お騒がせ中学生㉘
翌日、孝太郎さんが理玖君を迎えに来た。
「ひよし、それに空君。理玖の面倒みてくれてありがとう」
「おー、大変だったぞ」
ひよしさんが孝太郎さんに言った。
僕は慌てて肘打ちをして「余計なこと言わないで」とこっそり耳打ちした。
「理玖、なんかお前元気ないな」
理玖君は、昨日のことを気にしてるのか、朝からあまり元気がなかった。
僕は理玖君に近付いて言った。
「理玖君、またゲームやろうね」
理玖君が僕の方を見て言った。
「空にーちゃん…、また俺とゲームやってくれる?」
「もちろん!鍛えておくよ!」
僕は笑顔でそう言った。
「理玖、また遊びに来いよ」
ひよしさんも後ろからそう言った。
すると、理玖君の表情がわかりやすく変わった。
「空にーちゃん、俺もっと格好良くなるから!ひよしおじさんなんかよりもっともっと格好良くなるからね!」
理玖君は、今に見てろよみたいな感じで言った。
「うん、楽しみにしてる」
僕もそう答えた。
孝太郎さんは何の話かわからないようで首を傾げていた。
そうして、お騒がせ中学生は家に帰って行った。
2人を見送ったあと、ひよしさんが言った。
「さて、空。お仕置きの件だが、今日は勘弁しといてやる。その代わり、明日の朝いつもより30分早く起きろ。いいな?」
「明日!?学校あるのに!」
「だから遅刻しないように30分早く起きろよ」
「…何する気なの…?」
「それはお楽しみだ」
「っていうか、僕、お仕置きされるようなこと…」
「俺が心配してやってるのに理玖の味方したよな?それに、相変わらず無自覚なところは反省点だよな?挙げ句の果てに、俺以外のやつにキスされて。お前にキスしていいのは俺だけだぞ」
「うぅぅ…」
反論したかったけど、結局力づくでお仕置きされてしまうのがオチだ。
はぁ…、明日の朝が憂鬱すぎる…
✧✧
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