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君に触れたかったんだ①

※今回、ストーカー気味のモブ攻めメインのお話になります。前半はちょっと空が可哀想かも。ごめんなさい。 ✻✻✻✻✻✻ Side モブ きっかけは、僕が先生に頼まれて教材を運んでいたときだ。 僕は、階段で転んで教材をばら撒いてしまった。 鈍臭い僕の事を誰も助けてはくれず、少し離れたところから見ているだけ。 別にもうそんなことには慣れていたから、ただ黙々と教材を掻き集めた。 その時、手伝ってくれたのが彼だった。 「大丈夫?」と言うと、そのまま屈んで、一緒に教材を集めてくれた。 僕は心底驚いた。 僕のように地味で友達も少ない根暗な人間を手助けしようと思う奴がいるなんて…。 一体どんな奴だ?と思って彼を見た時の衝撃は忘れられない。 なんて綺麗な少年だろう。 それが第一印象だ。 掻き集めた教材を「はい」と言って僕に手渡す彼の手は小さく、髪の毛はさらさらと僕の目の前でなびき、目は吸い込まれそうなほど大きく、唇は薄く紅をひいたようなピンク色だった。 僕は、何も言えず教材を受け取った。 彼はそのまま踵を返して行ってしまった。 一瞬の出来事だったが、一生分の衝撃を受けたかのような気分だった。 彼は、透き通るように白く、綺麗で、美しい。 それでいて、僕のような人間に手を貸してくれる。 まるで天使だ。 暗闇の中にいる僕を光の中に連れ出そうとしてくれる、僕にとっての天使だった。

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