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君に触れたかったんだ③
そんなある日の事だった。
休日にストーカーのように彼のマンション周辺をうろついていたとき、彼と体育教師が一緒に彼の家から出てくるのを見てしまった。
頭を思いっきり叩かれたかのような衝撃だった。
理解が追いつかなかった。
何故、体育教師と生徒が同じ家から?
何故、あんなに仲良さそうにしている?
色々と付け回し、嗅ぎ回り、調べていくうちに、彼らが学校に内緒で付き合っていることがわかった。
僕は悔しさでいっぱいだった。
胸を掻きむしる程の悔しさ。
こんな感情は初めてだ。
そして、その時わかった。
これが恋なのだと。
僕は彼に恋をしているのだと。
でも、その感情を知ったところで、僕には彼を遠巻きに見つめることしか出来なかった。
僕のような陰に住む人間が、光のように輝く彼に触れてはいけないのだと思っていた。
ただ、そんな日々は長く続かない事がわかった。
父の仕事の都合で僕は引っ越すことになったのだ。
学校も転校することになる。
僕は家で何度も泣いた。
もう彼を見る事ができないなんて耐えられなかった。
泣いて泣いて、そして僕は決意した。
彼に想いを告げる事を。
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