28 / 34
※第28話
オークションは仮想会場でおこなわれ、証拠はまず残らないと言われている。
鹿狩は、運ばれた寝室でストレッチャーで拘束されたまま、アイマスクで視界を塞がれている。
顔を隠してのオークションはこれまでなかったが、購入者だけの特典ということで例外的に許された。
遠野の根回しのおかげだな。
鹿狩は自分の資産バンクの金額を伝えて、遠野には落札をして欲しいと伝えてはいるが、やはり緊張はしていた。
「まだ、入所2ヶ月で身体はとても綺麗です。発情期は1度しか迎えていません」
説明するように看守は伝えて、ストレッチャーの拘束から脚を外して、下肢がカメラにしっかり映るようにさらけ出す。
「沈着も少なく未使用感もありますし、それに身体を鍛えているからか弾力もあって使い心地は保証できます」
まるで深夜のショッピング放送みたいだなと客観的に思いながら、見えない先でどれくらいの価値がついているのか気になってはいる。
「問題は抑制剤が効かない身体なので、薬代はかかりませんが、発情期は必ずメンテナンスが必要です」
機械的な紹介の仕方に鹿狩は軽く息を吐き出すが、まあ値上がりされて遠野が落とせなくても困るしなと肩を聳やかす。
「それでは、彼の感度を実演いたします。このマシンについている張形を収め終えましたらオークション開始です」
ウィーンという機械音の響きに身体が震える。そこまでされるとは考えてはいなかったのだ。
くちゃっとローションに濡れた張形の先が隙間の入り口に押し付けられて、ずるずると内部に侵入してくる。
ッやば、いッ.....。
身体の熱が酷く上がってくるのが分かり、ギシギシと悲鳴をあげているのがわかる。
発情期か。
こんなところで、発情期なんて.....。
最初の発情期から丁度3ヶ月だ。周期はまだ、分からないが多分周期通りなのだろう。
「ーーッう、ああ、あ、あ、あ.....ッンーーっくう」
びりびりと脳みそまで痺れていくような感覚で、埋め込まれた張形を求めて腰をくねらせる。
演技など、できない、あまり.....値を上げるわけには.....。
どろどろとはしたなく胎内から密液が溢れ出す。
「すごい金額だ」
看守の驚きの声が聞こえる。
こんなんじゃない、俺はこんなんが欲しいわけじゃない。
「ァァァ、あああ、ああいっくっ、うい」
どぷっと腹部に精液が飛び散り、脚がガクガクと震える。
「最高額だよ、20億ドルとかこの施設のありえない」
看守の声が聞こえて、1億ドルしか用意していなかったことを思い出し、遠野が落とせたわけではないのだと頭の隅で考えたが、それも快感の波に消えた。
ともだちにシェアしよう!