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※第30話

遠野に期待ができるかわからないが。 それでも、期待をかけるしかないか。 再びアイマスクをかけられて拘束されたまま、鹿狩は車椅子で運ばれていく。 「発情期になってしまったようですので、マスクは外さぬようお願いします」 機械的な看守の声音が聞こえて、鹿狩にも誰かに引き渡されたのが分かる。カタカタと音がしてケージかなにかに乗せられたようだった。 危険すぎた賭けとは踏んでいたが、やはり失敗したのかもしれない。 ぬかったかとは思ったが、こんな筋肉質なオメガらしくない体の自分にそんな法外な価格がつくとは思ってなかったのだ。 .....遠野がやりすぎたんだな。 収まらない熱にやけただれそうな焦燥感が増していき、呼吸することさえ辛くなってきて、呼吸が乱れていくのが分かる。 「卿、お連れしました」 暫くしてケージから出されたのか、車椅子がごろごろと動いていく。 卿.....だと?グータンス卿だろうか。 確かに彼の財力であれば、20億くらいは軽く出せるだろう。 「待っていたよ。それにしても発情期か、とてもかぐわしい匂いがマスクの隙間からも漂ってくる。まさか飛龍(フェイロン)の息子が絡んでくるとは思わなかったからね、かなりの出費になってしまった」 経済界で、遠野と並ぶ富豪の息子までいたのか。 頬を軽く撫でられてアイマスクをそっと外される。 ここまでの大物とは実際に会ったことは無いから大丈夫だと思うが、光が入ると眩しさに鹿狩は目を細める。 「.....ほお。なるほど。遠野の息子が保証するだけあって、整った顔だ。発情期で辛いのだろう?苦しそうな顔がそそるね」 歳の頃は30台半ばだろうか、冷たい表情を浮かべて愉しげなものになる。 身体が熱くて堪らず小さく呻くと、マスクを外して車椅子の拘束を解いて、椅子から引きずり降ろすと鹿狩の衣服を引き剥した。 「君は抑制剤が効かないオメガだったな、可哀想にな」 頭を撫でてから、自分のスラックスを下ろして彼の唇へと固くなっている肉を押し付ける。 「この間みたいに、喉を開いて奥まで呑み込むんだよ」 顎を掴まえてぐいと開かせると奥までずずっと押し込んだ。 「ーーーッンンぐ、ぐぐッ」 苦しいのに、フェロモンで身体が熱くてたまらない。ヒートの状態でくらくらしやがる。 「苦しいのに、感じでいるのか。もう下の口までびしゃびしゃじゃないか。いやらしい悪い子だな」 ごつごつと柔らかい喉奥まで貫きながら、堅い尻たぶをぺしぺしと叩いて、ぐいと尻穴を晒すように尻のあわいを掴んで拡げる。 「ーーッンぐぐ、ふ、ふ、んんん」 中に欲しい。 欲しくて仕方か がない。 鹿狩は本能のままに腰をあげて強請るように尻を揺らす。 焦らされるのは我慢ができなくて、両脚を自ら開いて見せる。 ずるずると唇から肉を引き出すと、咳き込む鹿狩を見下ろすと、グータンス卿はニヤと笑う。 「発情期は苦しいだろう?私は、そういう苦しそうな顔を見たくて仕方がなくてね」 「ッン、ふ、う、.......お、ねが、いしま、す、だいて、だいて、ください」 身体の奥を貫かれて犯されたい欲望が、口から出てしまう。 腸道の奥にある核の部分が疼いて仕方がない。 「素直で可愛い雌は嫌いではないよ。だから少し意地悪したくなるんだ」 グータンス卿は、ほくそ笑むと細い棒を手にしてにこりと笑った。

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