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 秋良にぐったりとした体を洗い流され、ついでに髪まで洗われた。しまいには体も拭かれて、ベッドに連れて行かれる。  脩がベッドに仰向けに倒されると、秋良がそのまま覆いかぶさってくる。 「あ、あきら……」  ごく至近距離に秋良の顔があり、緊張で言葉尻が上がってしまう。秋良の柔和な目元が今は艶っぽく濡れていた。 「先輩……目隠ししますか?」 「えっ?」 「気になりませんか? 俺の後ろに何か見えるんですよね?」  秋良が囁くように問いかけてくる。  思わずハッとする。あの出張の日の夜、目隠しをされたのは秋良の気遣いだったのか。見えることで、気が散るとでも思ったのかもしれない。 「先輩、チラチラ俺の後ろを見てるから……姉はそういう事教えてくれないので、何が見えてるかわかりません。でも気が散るのであれば、見えないようにしたほうが良いのかなと……」 「いや……このままで大丈夫」  脩は苦笑いする。確かに前までは、気になって仕方なかった。  でも今は違う。こうして見えたことで、秋良との前世の結びつきも分かった。分からなかったら今こうして、ここにはいなかっただろう。  秋良は任務を終えたら帰っていくだろうし、脩もただ急に辞めた後輩ぐらいにしか思わなかったかもしれない。 「そうですか。分かりました」  秋良が優しげに微笑むと、顔を近づけてくる。 「ちょ、ちょっとまって。目隠しはしなくていいと言っただけで、するとは言ってないから」  脩は両手で秋良の肩を押しやる。 「先輩……俺は先輩の顔をちゃんと見ながらしたいんです。本当はあの日の夜だってそうしたかった……でも先輩が気を取られているのが嫌だったんです」  秋良が辛そうな顔で眉間に皺を寄せた。脩は思わず手が緩んでしまう。  秋良の気遣いには嬉しく思う。でもこういう言い方をするのはずるいとも思った。  そうこう考えているうちに、力が弱まった手を秋良に取られベッドに押さえつけられる。 「あ、あきっ――」  秋良の真剣な眼差しに怯む間もなく、顔が近づき唇を塞がれた。

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