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 土日中になんとか荷物を片付けホッとしたのもつかの間、秋良の暴走に寝不足気味のまま二人は出社した。  自分のディスクの前に座るなり、脩は椅子に体を預け腕を伸ばす。  体中が重だるく、腰も痛い。こんな毎日が続くようなら、リビングのソファで寝ることも見当しようと脩は溜息を吐き出す。 「すみません……」  隣で秋良が申し訳無さそうな顔で、頬をほんのり染めている。 「なになに、世良先輩疲れた顔しちゃって」  出社してきた草刈が、興味津々な様子で鞄を机に置く。 「田端くんまで、なんでそんな湿気た顔してるの? もしかして世良先輩、また田端くんにパワハラしたとか?」 「相変わらずうるさいし、元気だな……」  脩は眉間に皺を寄せて嫌味を言う隣で、秋良は草刈に挨拶して愛想よく笑った。 「田端くん。パワハラされたら、俺に言いなよ。世良先輩の容姿に騙されちゃ駄目だからね」 「それ以上言うようなら、僕はもうお前と金輪際口聞かないから」  パソコンを立ち上げ、突き放すように草刈に釘を刺す。 「えっ……。ごめんよ」  しょげたような草刈は力なく席に座ると、溜息を吐き出しパソコンの電源を入れる。  自分が悪いことをしたようで、脩はなんとも居心地が悪くなる。草刈の茶色がかった髪がパソコンの上からチラチラ見える。 「草刈、冗談だから。気にするな」  脩は何食わぬ顔で、マウスを動かし呟く。驚いた表情の草刈が、ひょっこりと顔をだす。 「えっ、本当にどうした? なんか雰囲気変わったっていうのか……」 「別に……何も変わってないけど」  草刈の言葉に見に覚えがないといえば嘘になるが、わざわざそれを言う必要もないと澄ました顔で切り返す。  いたたまれなくなり、ちらりと隣の席に視線を向けると、秋良が困ったようでいて優しく笑っていた。

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