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「えっっ?」
いきなりセーターごと制服シャツをたくし上げられ、それだけで夏生は過剰にビックンした。
周囲はまだ常夜灯を必要としない明るさ、雑居ビル同士の狭間は夜を先取りして薄暗い。
ひんやり薄暗がりに曝された日焼けしていない滑らかな肌。
うっすらピンク色に艶めく乳首まで外気に覗いており、そして。
「ぇぇぇぇ……っ!?」
乳首にガブリキス炸裂。
背中を屈めた鷹栖の貪欲な唇にか弱い突起まで捕らわれてしまった。
「せ、せんぱぃ、ここ外ですっっ……やだっだめ……っ、だめですってばぁ……っ、ひっぁっ……ひゃぁぁ……っ」
純潔な平凡羊のぷるんと色めく乳首が一匹狼先輩の舌に溺愛される。
前回は学校の生徒用玄関でかろうじて屋内だったが今は完全屋外だ。
恥ずかしいにも程がある。
しかも、これまで何ら意識することのなかった乳首を音まで立てて舐められては吸いつかれ、ピンポイントで刺激されて。
胸どころか全身がジンジンしてきた。
先輩、吸い過ぎです……っ舐め過ぎです……っ!!
「おれぇ……女子じゃないのに……そんなとこ、そんなされても……困りますっ」
もう片方の乳首にまで口づけてこようとした鷹栖の肩を掴み、精一杯の抵抗をものともしない上級生に唇をへの字に曲げ、悔し紛れに夏生がそう非難すれば。
ビル同士の狭い隙間で窮屈そうに背中を丸めていた鷹栖は、カリっっ、初心な乳首を甘噛みした。
「ひゃんっっっ」
「ン……困ってる割には立派に感じてんだな」
「ぅぅぅっ……先輩ぃ……っもうやめましょ……?」
「お前に言われた通りやめたらお仕置きの意味がねぇ」
「だからっ……お仕置きって、意味わからないですっ……あ……ん……っ」
先程まで熱烈なキスを一心に浴びていた乳首が筋張った長い指と指に捕らわれた。
唾液で満遍なく濡れそぼった突起をじんわりゆっくりくすぐられる。
反対に、甘噛みされたもう片方の乳首を激しく荒々しく貪られる。
夏生は後頭部を壁に擦らせて仰け反った。
両方の乳首を同時に攻められて腹の底が燃え上がるような初感覚に細腰を痙攣させた。
「変……っ変です、おれのからだぁ……」
夕闇が迫って冷気を含み始めた外気。
肌の内にこもる熱気。
外と内の温度差にクラクラして、唯一の拠り所である鷹栖にこどもみたいにしがみついた。
「外なのにぃ……っだめ、おれぇ……」
「お前の、勃起してる」
「っ……ふぇぇ……ん……言わないでくださぃ……先輩がぁ……こんなことするから……っ」
「ココだけで……か。感度いいのか、お前」
「っ……っ……知らな……っ」
「経験あんのか」
「っっっ……ないです!!ゼロですけど!?」
「声でけぇよ」
奥手そうな見た目から経験不足と踏んでいた鷹栖は、顔をまっかっかにして経験ゼロだと大声で明かした夏生に思わず笑みを零した。
「その割には、な。感度よくねぇか」
れろり、大胆に伸ばした舌でぷっくり膨らみ始めた尖りを舐め上げた。
「や……っっっ」
「ほらな。普通はただくすぐったいだけじゃねぇの」
色鮮やかに芽吹いた突起をキュッと摘まみ上げる。
「ん……っっっ」
「夏生、お前敏感なんだな」
「びっ、敏感なんかじゃっ……」
湧き上がってくる涙で双眸を潤ませた夏生はジンジンする全身に眩暈を覚えつつ、可能な限りそっぽを向いて呟いた。
「鷹栖先輩が、えっちなこと、上手だから……おれが、こんな、なるの……鷹栖先輩のせいです……」
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