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まさか外でここまで及ぶなんて夏生は想像もしていなかった。
「ゃぁぁ……っせんぱ、ぃ……っ……あっ、あっ、あっ……ふゃぁ……っ」
ざらつく壁に縋りつく夏生の背中に鷹栖は密着していた。
一匹狼先輩の大きな掌にすっぽり包み込まれた平凡羊の。
初めて他人に触れられて成す術もなく昂ぶって、上下に擦り上げられると一段と発熱して、先走りの雫を素直に滴らせた。
信じられない。
そ、外で……ポロリしちゃうなんて。
ううん、ポロリどころじゃない……っ先輩に……し、し、しごかれ……っしごかれ……!!!!
「ゃ……っぁ……!」
雫の溜まった窪みを親指でグリグリされて夏生はより仰け反った。
背中に深く重なる確かな体温。
鼓膜を震わせる低い息遣い。
雑然とした路地裏の淀んだ空気に紛れる一匹狼の匂い。
滑らかな肌を物欲しげに辿っていたもう片方の鷹栖の掌が胸元を覆った。
ピンと屹立し、さらにぷるん度の増した乳首が強めに捏ね繰り回された。
「あん……っ」
つい女子めいた甲高い声を上げてしまう。
恥ずかしいながらも止められない。
強引な両手に追い詰められて強制絶頂へ落ちていく。
「せ……っ先輩の……っすけべ……っあっあっ、もぉ、おれ……っでちゃ……っ」
平凡羊の耳元で一匹狼は命じた。
「だせ」
もっとヤラシク過激に愛撫された。
溢れ落ちた涙まで背後から舐め取られた。
脳天クラクラなお仕置きに絶頂の雫をやむなく放つ寸前、夏生は、思った。
おれのこと探し出してくれた鷹栖先輩のこと、かっこいいって思った、すごく安心した、それなのに。
こんなえっちなことする先輩にはやっぱりついていけません!!!!
「携帯、登録する。番号とアドレス教えろ」
ついていけないと思いながらも、センター街から自宅まで付き添われて家路を共にし、門扉前でガラケーを取り出した鷹栖の台詞に夏生は……乙女さながらに頬を赤らめた。
すでに夜の帳が下りた住宅街。
通りがかった野良猫にワンワン吠える近所の飼い犬。
「えっと、番号は090-××××-××××です」
「…………」
常夜灯の元、かなり覚束ない手つきで携帯を操作している鷹栖に夏生はつい笑ってしまう。
「慣れてねぇんだ」
鷹栖先輩、これから先輩のこと、いっっっぱい教えてくださいね。
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