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結局のところ「本番えっち」は未遂に終わっていた。 夏生は萎え果てる一方で、関係性を誇示したくて安城のブラフを見過ごしていた鷹栖は不慣れな罪悪感やら後ろめたさが影響して無理を強いることもなく。 『なんかつまんなーい』 「本番えっち」を命令した張本人の安城自身に打ち切られていた……。 「んむ……っん、ん、ん……っふ……ぅ……っ」 乾いた部屋に頻りに紡がれる口づけの音色。 「は……っふ……ンンっ……ン……っン……っ」 鷹栖はネクタイで目隠しされたままの夏生にどっぷり溺れていた。 強く噛んで声を殺していたため、うっすら血が滲んで、傷ついていた唇。 労わるように甘やかすように。 安城がいたときは避けていたキスに気が済むまで耽った。 セーターはすでにベッド下へ蔑ろにされており、いくつか外れていた制服シャツのボタンを全て外してしまう。 限界まで左右に肌蹴させ、曝した胸元に両手をあてがう。 「ん……っっ……先輩、あの……っ……?」 まるで異性を相手にするような手つきで平らな胸を刺激されて、濃厚キスにふやけきった夏生の唇からは戸惑いの声が零れ落ちた。 広げた掌で強弱をつけて揉みしだかれる。 ぷるんと艶めく乳首の天辺を指先で両方同時に爪弾かれる。 「っ……くすぐったぃ、です……あっ……ン……」 唇から下顎へ、首筋を伝って小刻みに移動していったキス。 甲斐甲斐しい愛撫に張り詰めていた胸の突端で止まったかと思えば、コリコリと硬くなりつつあった乳首を啄まれた。 「ひゃっっっ……」 「お前、本当、ココで感じやすいな」 「っ……しながら、しゃべっちゃ、だめ……っ……です……っ」 「もうこんな硬ぇ」 「ひ……っっっ……だから……そこ、だめっっ……はぅ……っ」 クチュ、クチュ、強めに吸い上げられて、ビク、ビク、素直に跳ねる平凡羊。 先程までいくら触れられようと反応を示さなかった熱源がみるみる火照りを孕んでいく。 「さっきまで全くだったのにな……今は、もう、こんなだ」 両方の乳首を交互にむしゃぶられながら、指の輪で上下に巧みに熱源を擦り上げられて、どうにかなりそうなむず痒さに夏生は喉を反らした。 「ふゃぁん……っゃっ……これ、ゃぁ……っゃぁぁ……っ」 緩々な唇から解き放たれる甘い声色に。 鷹栖の鋭い双眸が意味深に細められた。 「なぁ、夏生」 「はぁ……っはぁ……っ……っ……?」 「鳴いてみてくんねぇか」 え。 鷹栖先輩、安城さんとおんなじこと言ってますよー……? 「な、鳴くって……え……? どういう意味、」 「短めで構わねぇ」 「あっっっ……甘噛み、だめっ……ひぃん……っ」 「夏生」 もう安城はいない。 手錠からも解放されて今はベッドに二人きり。 ネクタイで目隠しされて、前回よりも過激に溺愛されて、ちょっとばっかし理性が麻痺して、思い切って。 「メ……メェ……」 夏生は鳴いてみた。
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