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『お前の、可愛いのな』 前回、ベッドの上で鷹栖にそう揶揄された夏生は敢えて半開きにした双眸で彼のソレを遠慮がちに目の当たりにしていた。 前はネクタイで目隠しされてたから……。 こうして実物を拝見するのは初めてですけど……。 そうですね、こんなスゴイの持ってたら、おれの、可愛いって言われるの当然かもですね、ハイ……。 ヘッドボードに立てかけた大き目の枕に背中を預け、先程よりも息が荒くなっている鷹栖は、自分のすぐ傍らでちょこんと正座してカチンコチンになっている夏生に苦笑いした。 「それ、どういう心境だ、夏生……」 「あ……っえーと、その……」 こ、こんな状態なったことないです……。 お腹にくっつきそうなくらい……お、おっきくなるなんて……。 「……無理すんな」 夏生の頬がカアッと熱を帯びた。 「む、むりなんかしてませんっ」 羽布団を足元に追いやり、自分自身で下の制服を寛げて痛いくらい火照りきった昂ぶりを取り出した鷹栖に夏生はブルブル首を左右に振ってみせた。 「むりなんか……へ、へたくそだと思いますけど、おれ……鷹栖先輩のために頑張ります……っ」 上下とも制服をきちんと着用したままの平凡羊がとった次の行動に鷹栖は正直面食らった。 経験皆無だった夏生のことだ、精々、おっかなびっくり触る程度だろうと思っていた。 まさか……いきなり口内へ招かれるなんて……予想だにしていなかった。 「ん……っ……」 柔らかな唇を精一杯全開にし、火照るペニスの根元を片手でぎこちなく握り締め、膨張した先端を頬張っている姿に鷹栖の心臓はブルリと痙攣した。 もう「無理するな」とも言えずに。 予測不能であった大胆行為に突っ走った夏生に根こそぎ視線を奪われた。 「ん……む……」 ……これからどうしよう。 ……な、舐めればいいの? ……でも、もう口の中いっぱいで……舌、動かせない……息もしづらい。 ……咄嗟にこんなことしちゃったけど鷹栖先輩ヒいてたらどうしよう……。 「っ」 二の次を踏んでいる夏生の頭に鷹栖の片手が添えられた。 免疫のない悪性の興奮による暴走を驚異の精神力でかろうじて食い止め、長く筋張った五指で触り心地のいい手つかずの天然茶髪をそっと梳いた。 一匹狼の葛藤も余所に平凡羊は……猛烈にどきどきした。 頭の芯が溶けるような心地いい愛撫に鼓動を加速させて、不安や迷いを追い払って、さらに深く……鷹栖を咥え込んだ。 「ン」 熱い……先輩の……。 口の中で、どくんどくん、してる……。 口内にずっしり響く鮮やかに色づいたペニスの質感。 キュッと、上下の唇を窄めてみる。 ちゅっと、吸い上げてみる。 「ッ……」 わ、あ……ビクビクって……こんなの……す、すごすぎる……。 「っ……ぷは……」 些細な刺激に忠実に反応する熱源を口内から一端解放し、夏生は、目の前で俊敏に反り返ったペニスに今更ながら耳まで赤くした。 自身の唾液でツヤツヤと濡れ光るペニスの裏側を、ぺろ、ぺろ、不器用な舌で舐め上げる。 視界を埋め尽くしそうなサイズ感に辟易しつつ、伏し目がちに、ぺろ、ぺろ。 「ン……ほんと……へたくそで……ごめんなさい」 目許までほんのり赤く染まった平凡羊と、見る間に目つきが険しくなっていった一匹狼の視線が重なった。 「ッ……もういい、夏生」 鋭い呼び声に夏生は察した。 利き手で支えた根元や舌伝いにその兆しを自然と感じ取った。 夏生は離れなかった。 むしろ滾り勃つ昂ぶりをより深く、溜め込まれゆく熱を少しでも解放できるよう、鷹栖が楽になれるよう、躊躇なく口内へ招いて……。 「……すみません、鷹栖先輩の、飲んじゃいました……」

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