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俺の親友はイケメンだ。
なんでこんな平凡な俺の友達なのか、何か弱みを握られているんじゃないか…と周りから疑われるレベルで男前なのだ。
身長も184cmとかなり高く、筋肉も程よくついている。女の子がよく好きだと言っているソフトマッチョってやつだ。
少し垂れた二重の瞳に、綺麗に整えられた眉。少し鷲鼻気味であるが高い鼻と、形の良い唇。よく芸能人に間違えられるレベルの華やかなオーラを放ってる。
俺も男の嗜み、と眉毛と髪の毛はそれなりに整えているのだが、どうしてか親友のようなイケメンにはなれない。よく言って小綺麗な普通の人、だ。
…く、そ……イケメン滅びろ…
とまあ本音が漏れてしまうくらいに俺の親友は腹が立つほど見目麗しい。女子からすれば目の保養なんだろうけど、はて?俺は何故こんなにも律のことを褒め称えてんの?つか、そもそもなんで俺はこんなこと考えてたんだっけ。
脳が現実逃避してる。
今日はなんの日だっけ?
「智ちゃーーん」
つい無視したくなる声に俺は、ああ、そうだった、と気付く。脳が急速に現実に戻される感覚だ。
「智ちゃん待ってよ。置いてくなんてひどくなーい?もー」
間延びした問い掛けに、チラリと横に並んだ男を見て「わりぃ、忘れてた」と返した。
そうだ、今日は親友(面倒臭い)――律と一緒に登校すると約束してしまった日だ。
「忘れないでよ」
「すまんて。おは」
学校規定の制服に身を包んだ律は相変わらず格好いい。腹立つから口には出さないが、多分この学校で一番着こなしてるのはこいつだと思う。親友という色眼鏡無しで見てもスタイルは抜群だし何着せても似合ってしまうのだ。
無駄に爽やかな笑顔を振りまく律に、朝からそんな笑顔の大盤振る舞いして疲れないか?と心の中で思うがいちいち口には出さない。
律に合わせることなく俺はさっさと歩き出す。
しかし俺の歩く速度になんなくついてくる足の長さにイラッとした。
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