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俺たちの仲の良さはそれはもう教室で机も隣同士という仲の良さである。
2年に上がってからよくあるくじ引きで席順を決めたのだが、当初俺と律はだいぶ離れた席だった。
だが、俺は必ず律と隣同士になることを確信していた。
そう、人はそれを運命と呼ぶ。
なんていうのは勘弁して欲しいので実際の話をすると、律は己の学校内での人気を利用して俺の隣の席だった石田くんに「石田クーン!お願いがあるんだけど聞いてくれる?あのねー、この席と俺の窓際の席変わって欲しいんだけど…だめぇ?」
なんて爽やかな笑顔で拒否権のないしかも相手にとっては窓際という素晴らしい席という好条件を盾にむしり取った運命である。
つまり運命じゃない。
イケメンの顔面権力誇示だ!!
もちろん石田くんは顔を真っ赤にして、勢いよく顔を上下に振ってそそくさと机を離れた。
そして俺たちはまた隣同士という超絶仲良しな状況に陥っているわけである。
律ファンなら泣いて喜ぶ奴のこの行動。律のただイケメンなだけでなく心底面倒くさい部分もたくさん知っている俺としては教室の席くらい離れたいのが本音だ。
しかしこの謎の仲良し行動は中学に入ってからずっと続いているので今更特に言うことはない。
俺が何を言ったところで律は言うことを聞かないし聞いた試しがない。
まあこいつは俺のことが大好きなんだから仕方ないか。
「ん?なんか智ちゃん調子乗ったこと考えてた?」
「え…なんで分かんのよ」
「野生の勘?」
怖!!!
つーか野生の勘って…ボンボンの癖になにふざけたこと言ってんだこいつ。どこが野生だよ。完全な温室育ちじゃねえか。
と、心の中で暴言を吐くが口には出さない。そろそろしたら朝のホームルームのチャイムが鳴るし先生も来るし、そもそも朝から律と言い合って俺の元気はむしり取られてもう殆ど無い。
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