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先生が去ると即座にクラスメイトたちが行動に移ろうとガタガタと席を立ち始めた。 何をするかと言うと、早い話織田とお近付きになろうとしてるわけだが。 つい先程拒絶の言葉を吐かれたばっかなのに、あいつらもよくやるよなあ。まああんだけ美人なら仲良くなりたくもなるか。 つか男に向かって美人なんていう日が来るなんて…。まあ、俺は?外見より中身重視だけど? なんてイケメン風なことを思いながら様子を見ていたがなんだかんだ織田の放った言葉が効いているのか、みんな躊躇って一歩を踏み出せずにいた。 …情け無い! それでもお前ら男かよ! 根性見せろ根性! 俺、言いたい放題である。 チラリと織田を見ると、クラスメイトたちの欲望を感じ取っているのか、話し掛けんな近寄んなオーラ丸出しの表情をしていた。 眉間!眉間に皺寄ってるぞ!? でもそんな横顔ですら窓から差し込む日差しを浴びて、儚く発光しているように綺麗だ。 蜂蜜色の頭髪に天使の輪っかができている。きっと触ったらサラサラで気持ちいいんだろうな… なんて考えていた俺だったが、さすがにそろそろ話し掛けるか、と腰を浮かせた。 いくら本人から話し掛けるなと、クギを刺されたとは言っても担任から委員長頼むとまで言われたわけだがら、最初の挨拶くらいはしとかないとなるまい。 律にはよく、智ちゃんてほんと世話焼きだよね~と言われるが別にそんなんじゃない。ただ責任感が強いだけだ。なにせ委員長だからな、仮初めの。 とにかく最初に声掛けとくだけ声かけとけば、あとは向こうからもし何か困ったら話し掛けてくるだろ。 最初だけ。 あとは知らない。 心の中でそう自分に言い聞かせて席を立つ。別にこの注目の中話し掛けるのに勇気がいるとかそんなんじゃないけどね!思慮深いだけだから、俺。 しかし俺が歩き出す前によく知った姿が、先を横切って行った。

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