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「俺、玲哉のこと好きになっちゃった〜」 「……」 だろうと思いましたよ。 今このタイミングでカミングアウトされたことは少し意外だったが、特に驚くこともなく無感情にそう思った。 相変わらずカミングアウトの早い奴だ。普通ってもう少し自分の気持ちに迷ったり考えたりして告白してくるもんじゃない? 「だからねー、智ちゃん応援よろしく」 ね?と可愛くお願いされたけどキュンとかしねえから。そういうのはもっと別の奴に振りまいてくれ。無駄遣いだぞ。 「はいはい。なんとなくそんな気はしてたよ。精々頑張れよな」 「あれ?寂しい?俺にちょっかい出されなくなるの」 「は?なんでそんいう話になるんだよ!ばっかじゃねーの!?んなわけねーだろ!」 「えー?そんな本気で怒るなんてアヤシイ~」 「もうお前なんて知らね」 「あは、嘘だよ」 律が俺のほっぺを両手で包み込む。決して寒いわけではないのに、触れる両手は何処と無く冷たい。 なんだよ、と律を見上げるとその顔は少し困ったような表情をしていた。 「むしろ逆でしょ?俺にちょっかい出されなくなるの、嬉しいんだよね。…知ってるよ」 「…別にそこまでは言ってない」 「…ふふ、やっぱ優しいねえ、智ちゃんは!」 そのまま両手で顔を潰されて多分パグ待った無しのなかなかのブサイクな顔にされる。…この例えはパグに失礼か。あいつらはブサカワだもんな。俺にカワの要素はない。 「や、めい!ブサイクになるだろ!」 勢いよく両手を引き剥がすと、律はいつもの爽やかな笑顔で笑っていた。 「それも、知ってる」 「知ってるならやるな!」 楽しそうに笑う律につられて俺も吹き出してしまう。2人してケラケラと笑い合った後、律はハッと思い出したようにロッカーに走っていった。

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