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最初に感じた違和感はこのネームプレートの増加だったのか。もっと早く気付けばこんなに驚かなくても良かったのに。 俺は正直ゲンナリする気持ちを抑えて、仕方なくまた玄関の扉を開けて中に戻る。部屋に入ると冷蔵庫の前に居た織田の姿は無く、どうやらリビングに引っ込んだようだった。 ちなみに俺の部屋には、キッチン、トイレ、お風呂、そしてその奥に二段ベッドと机が2つ。共有のソファーとミニテーブル、クローゼットがあるというシンプルな造りだ。 3人部屋に比べるといささか狭く感じるが、男が2人しか居ないのでそこまで窮屈ではない。 織田は先ほど取り出したペットボトルを持ったままソファーに寝転がって携帯を弄っている。 俺はとりあえず自分のカバンを机の上に置いて隣の今まで何もなかった机に目を向けた。 既に織田のものと思われる教科書や辞書が並べられている。 「もう荷解き終わったのか」 そんな俺の独り言とも取れる発言に織田はチラリとこちらを見ただけで、直ぐにまた携帯に視線を戻す。 …相槌くらいしろよな! 返事を期待していたわけではないが、こうもあからさまに嫌な態度を取られるとさすがにイラッとしてしまう。 ただでさえ今日色々あってお互いにわだかまりができはじめているのに、こんなんじゃ先が思いやられる。 俺はバレないようにこっそりとため息を吐いた。
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