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「………」 「………」 き、気まずい。 なんだこの気まずさは。 多分気まずいと感じてるのは俺だけだが、久しぶりに他人に対してこれ程までの気まずさを感じている気がする。 なにせ最初に話をしてから織田は一切喋らず、俺も織田の話しかけるなオーラに引いてしまって喋る気力を失っていた。 でも、これから約一年は一緒に暮らして行かなければならない。あまり仲を悪くはしたくないのも本音だ。 俺は机に座って明日の数学の予習をしていた。数学の先生は容赦なく生徒を当ててくるから予習が欠かせない。 しかし今日は織田が気になってあまり集中出来ていなかった。 「……ふー」 息が詰まりそうな空間に大きく伸びをして、気分転換に何か飲むかと冷蔵庫に向かう。向かっている途中で、ポケットの中の携帯が振動して着信を知らせた。 画面にはシンプルに「律」の表示。 「うい」 『智ちゃーん、お腹減った〜』 携帯越しに律の甘えたような声が聞こえて、思わずガッツポーズを繰り出した。 なんてグッドタイミング!さすが律だ! 「部活終わったのか!俺もまだ食ってないし一緒に食べに行く?」 『行くー。智ちゃんから誘ってくれるなんて珍しいね。あ、そっち迎え行くよ。いま部屋でしょ?』 「うん、え…いや、いいよ!俺が行くわ」 『だいじょーぶ。てかもう智ちゃんの部屋着いたし』 言うが早いか、玄関のドアがドンドンっと叩かれた。うえ、早っ。 『……あれ?もしかして智ちゃん玲哉と同室?』 そして、バレるのも早かった。 俺は全然気付かなかったのに律め、目敏(めざと)…鋭い奴だ。 「あ~…なんかね。そうみたい」 『えー!なにそれ!超羨ましい!早く開けて~』 案の定律が電話越し、というかもう玄関の向こう側から聞こえるくらい騒ぎ立てた。 俺は無言で電話を切って、仕方なく玄関を開ける。 扉の向こうには一汗流した後と思えないくらい爽やかな笑顔の律が立っていた。

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