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05
Tシャツに下のみジャージのズボンを履いたかなりラフな姿になっている。一度部屋に帰って着替えたみたいだ。
見慣れた姿に、俺は少しほっと息を吐いた。
「….なんか智ちゃん顔酷くない?疲れてんの?」
「あー…さっきまで予習してたからな。つーか顔酷いって言うな」
織田との気まずさに気疲れしてた、とはさすがに言えない。広い部屋ではないので確実に聞こえるし、そしたらまた何を言われるか分かったもんじゃない。
もはや軽く恐怖の対象である。
「あんま無理しちゃだめだよ?」
ぽんぽんと頭を叩かれて、そのまま律は部屋に入ってきた。
勝手に入ってくるのはいつものことだ。リビングに顔をのぞかせた律は「ワッ、ほんとに玲哉がいる」と驚く。
「…ん?浅倉か」
俺も律に続いてリビングに戻ると織田がソファーに寝転んだまま気怠げに律を見上げている。
「まさか智ちゃんと同室になるとはねー。他にも一人部屋になっちゃってる奴何人かいるのに」
「浅倉は?」
「俺は残念ながら同室がいるよ」
「そう、それは残念だな」
織田は少し眉を下げてそう言った。どんだけ俺との同室が嫌なんだよ、こいつは。
つーかそんな顔もドラマのワンシーンみたいに綺麗なのが腹立つ!
「あ、そうだ、玲哉も飯食べに行くー?」
って、おおおおおおいいい!!?
言い出すだろうとは思っていた台詞に、俺は思わず心の中で盛大に叫んだ。
なんなら声に出そうなくらいヤメロ律ううううう!!ってなってる。
織田と違う空間に行きたくてお前を誘ったのに、どうして織田を誘うんだよ!
そりゃ律は織田をロックオンしてるし?誘うだろうなとは予想してたけど!?珍しく俺から誘ったんだからそこはちょっと察して欲しかったなー!!
織田は相変わらず体を起こす気はないようで、ソファーにもたれかかったまま首を傾げた。
「飯?どこに?」
「寮の一階に食堂があるんだよ。21時までは開いてる」
ちなみに今は19:30をちょっと回った頃だ。
「ふぅん…アンタも行くの?」
不意に織田が視線をこちらに向けた。
突然話を振られてビクッと肩が跳ねる。そんな俺に怪訝な目を向ける織田。その目はまるでなんだこいつキモ、とでも言わんばかりの蔑んだ目だ。
「…一応そのつもりだけど」
「じゃあ行かない」
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