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「うっし、できた~」 自分の机の上を片付けて、ちゃちゃっと作った野菜炒めやら炊きたてのご飯やらを並べる。 味噌汁も飲みたくなって作ろうと思ったが、やはり面倒臭かったので今日はインスタントを使った。 インスタントだって十分美味い。自炊すると言いながらもどうしても疲れてやる気の起きない時はインスタントや冷凍食品にはよくお世話になっているのだ。 一年の最後の期末テスト前なんかご飯を作る余裕が無くて、ずっとインスタントラーメンを食べていた事がある。 あの時は律に見つかって怒られたあげく、ずるずると食堂に引きずられていった。 今となってはいい?思い出だ。 「さて、と。奴らが帰ってくる前にさっさと食うか」 1人だと独り言が多くなって困るな。 椅子に座って出来立ての湯気が立ち上る野菜炒めに箸を伸ばし、パクッと口に運ぶ。 結構減っていたお腹が一気に満たされていくような幸福感が広がった。 「うまー!さすが俺!」 自分好みの味付けなので間違いなく美味い。ぱくぱくと箸をすすめていたら、ふいに玄関の扉がガチャガチャと回される音がした。 んん!?もう帰ってきたのか!? まだ、食べ切ってないんだけど。 慌てる俺なんてお構い無しに、 扉が開く音がして、廊下から黒のパーカーを着た織田が姿を現した。当然ながらバチッと目が合う。 「…………あー…おかえり?」 「……何食ってんの」 「へ?…あ、ああ。これか。野菜炒めだよ」 無視されると思ったのに、予想外に返事が返ってきたことに地味に驚いた。 織田がパーカーを脱ぎながらこちらに向かって来て、ケツポケットから財布も取り出し、部屋の鍵と一緒に机に置く。 「アンタ、料理とかするんだ」 「まあな。嫌いじゃないよ」 近くまで寄ってきた織田は俺特製の炒めキャベツを手に取ると、ヒョイっと自分の口に放り込んだ。 「あっ」 「……普通」 「…………すいませんね、普通で」 こいつはほんとにいちいち嫌味な奴だこと! でも不味いと言われなかっただけマシだと思ってしまった俺が不憫でならない。 「律は一緒じゃないのか?」 「さっき別れた」 「…そっか」 律のことだからまた戻ってくるのかと思ったけど違ったようだ。 「あ、そうだ。風呂、先どうぞ。一応朝洗ったから」 俺まだ食ってるし。織田は特に返事もせずに、しかし俺の言葉通りに風呂に向かっていく。 「…あいつの返事が返ってくるタイミング全然分かんねえな」 ボソリと呟いて俺は再び、目の前の飯に集中することにした。

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