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のんびりとご飯を食べ終え、織田が風呂に篭ってから随分と時間が経った。 俺は明日の弁当の下準備を軽くして、洗い物も片付けソファーでリラックスしていたわけだが… いくらなんでも遅くね? 織田が、全然上がってこない。 浴槽に湯を張ってたみたいだから、湯船に浸かってゆっくりしてるとか?にしたって遅すぎる気がする。 俺のような平凡な男とは違い、織田ぐらいの美人ともなればやることが何倍もあるのかもしれない。と考えて急いで頭を振った。 「いやいやいや、あいつ男だから!…あっぶねえ…美人ってだけで錯覚するとこだった」 男子校マジックだ。 洗脳だ。怖すぎる。 「つか…のぼせてたりしない、よな?」 誰に問いかけるわけでも無く、独り言が漏れる。なんとなく感じていた不安を口に出してしまうと一気に心配になってきた。 耳を澄ませてみてもシャワーの音どころか、湯が揺れる音さえ聞こえない。 俺はそろり…と風呂場に近付いて、恐る恐る声を掛けてみることにした。 「おーい、織田?大丈夫?倒れてたり…しないか?」 ……… 無音だ。 何も返事が返ってこない。 「…織田!生きてんだろ?まさか死んでるんじゃないだろうな!?…返事しろよ!」 大きな声で尋ねるが、締め切られた風呂場からは何も聞こえなかった。 無視していたとしても俺がこんな風に声を掛ければ「失礼な事言うな」とか「うるさい」とか一言返ってきそうなものなのに。 このパターンはだいたいそう、あれだ… ヤバイやつだ!!! 強く確信を持ってしまった俺は、申し訳ないと思いつつもガチャッと勢い良く扉を押し開く。倒れていたならばすぐに助け出そうと最悪の想像をして心の準備をする。 「織田っ…………、………」 浴室に顔を出した直後。 俺は目の前に広がる光景に呆気にとられてしまい言葉を失った。背後に効果音をつけるとすればポカーンだ。 例えば、線が細いと思っていた織田の体が意外と筋肉がついた引き締まった体で、着痩せするタイプだったのね~とか、湯の蒸気で頬がほんのりピンク色で色気がヤバイ~とか、決して…決してそんなことが言いたいのではない。 「………あ、あの…」 「勝手に開けんな」 「それ、……何デスカ……?」

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