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「………まぁ…趣味は人それぞれだしな…。俺がどーのこーの言うのもあれだよな…うん。ごゆっくり」 ついつい感情的になってしまったが、織田の趣味について言い合ってても仕方ない。刺激的なカナコちゃんから目を逸らし風呂場を出て行く為に踵を返す。 「痛っ」 しかし背中に何か硬いものが当たり、ボトリと床に落ちる音が聞こえた。 まさか、と振り返れば案の定、足元につぶらな瞳で俺を見上げてくる――カナコちゃん… 「てめ…っ、カナコちゃん投げてんじゃねーよ!?」 色々とキャパオーバーでイラついた俺はカナコちゃんを鷲掴むと織田に向かって渾身の限りを尽くして怒鳴る。ここまでくると織田怖いとかビビってる自分は居ない。 織田はブチ切れる俺を見ても微動だにせず、綺麗に眉間に皺を寄せたまま、ただ一言。 「閉めてけ。寒い」 米神に青筋が浮かびそうになるのを何とか抑えて風呂場の扉を力任せに閉めた。 そのままリビングへと戻り鼻息荒くドカッとソファーに体を投げ出す。大人になろう、大人になろう、大人になろうと冷静さを取り戻す為に心の中で何度も呪文のように唱え続ける。 暫く繰り返していると、だんだんとアホらしくなって大きく息を吐き出した。 「っああ…!」 そして、冷静になって大変なことに気付いてしまった。 右手が今まで握りしめていた、水滴で濡れた塊を落とした。 「カ、カナコちゃん…持ってきちゃった…!」

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