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「うっせ…」 どんだけ大音量で設定してんだ。 思わず眉を顰めて織田の寝ているベッドの方に顔を向けると、すごい早さで手が伸び一瞬でアラームが静かになった。 「………」 そのままピクリとも動かなくなった布団の盛り上がりを見ながら、俺は我慢できずに突っ込んでしまった。 「起きないのかよ…!」 俺の声が聞こえたのかどうかは謎だが、暫くするともぞもぞと布団が動き出し、ようやく織田が顔を覗かせる。 二段ベッドの上から織田がキッキンに居た俺を見下ろして…ってちょっと待って!!? なんであいつ裸なの!!? ムクリと起き上がった織田は何も着ておらず、色白の透明感溢れる体が露わになっていた。 数秒間ぼぅ…としていた織田は、バサっと布団を傍に寄せるとハシゴから降りてくる。 「え、え、ちょっと待って…」 そんな裸で上から降りて着たら見たくないとこまで見る羽目になるだろ!? いくら男だと分かっていても顔は中性的なので思わず目を瞑ってしまう。 足の裏が床につく音が聞こえ、俺はそろりと目を開けた。 「!!」 さすがに真っ裸では無かったが、リビングでぽりぽりとお腹をかく織田の姿に言葉を失ってしまった。 …まあ、百歩譲ってここは男子校だ。 教室でもよく全裸になったり、あられもない姿ではしゃいでる男子の姿をよく目にするが、織田のそんな姿――寝癖でグシャグシャになった髪にパンツ一丁は見たく無かった… ちなみパンツは黒のヒョウ柄ボクサーパンツです。強そう。 しかも昨日お湯の中でぼやっと見た時より織田の体が鮮明に見えたお陰で、引き締まった腹にできた薄っすらと浮かぶシックスパックを見つけてしまう。 超絶ムキムキな訳ではない。本当に体型とマッチしたバランスのいい筋肉のつき方をしている。 ていうか、俺でさえそんな割れてないのに。誰か嘘だと言って… 敗北感を感じショックを受けていると、ゆらりと体が揺れて織田がこちらに向かってきた。 「あ、えっと。はよース」 「………」 「つーか、なんでお前パンツ一丁なんだよ。その顔で男らし過ぎだろ」 ハッ!しまった! これ、また怒られるやつじゃ…!? 「………」 「………織田?」 しかし俺の予想とは裏腹に織田は無反応だった。 無反応で無表情のまま俺の前に立つ。目が開いてるからちゃんと起きてる…とは思うが、なんかちょっと目が据わってないか? 訝しげに見ていると織田はすっと片手を引き、 「!!!」 躊躇うことなく、俺の頬を殴りつけてきた。

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