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「あれ?さっきの律クンといっつも一緒にいるやつじゃない?」 「ホントだ。っあ!隣にいるの昨日転入してきたっていう超美人の人だよ!」 「なんなの、あいつ。なんであいつばっかりあんな人たちと一緒に行動できるわけ?」 「釣り合ってないんだよ。鏡見ろよ」 「………」 とまあ、さっきからこんな具合に悪口ばっか言われてんだよ! もー!こいつ連れて歩くのほんとやだ!色んな人に注目されるわ、嫉妬されるわ、悪口言われるわで俺のメンタル結構ボロボロよ! 律の場合は、親友なんだから一緒に居て当たり前だろ!文句言ってくんな!ウゼェな!とか適当に脳内で躱していられるが、織田の場合は別に俺が好き好んで一緒に居るわけではないので理不尽の一言に尽きる。 早く終わらせて部屋に戻りたい… まあ戻ったところで織田が居るのであまり心が休まる気がしないんだが。 そうこうしているうちに体育館に着いた俺たちは開け放された扉へと近付く。 中からボールの跳ねる音や、キュッキュとシューズが床を蹴る音、ホイッスルの笛の音…運動部ならではの活動的な音が重なって聞こえてくる。 「バスケ部興味あんの?」 「あるっちゃあるし、ないっちゃない」 「どっちだよ」 訳のわからない返答に首を傾げながらも、体育館の扉から中を覗く。 ちょうど試合の練習をしていたようで律が颯爽と掛けていた。相変わらずリーチの長さを生かした動きに嫉妬を通り越して尊敬の念を覚える。 「浅倉ってホント、アンタと不釣り合いだな」 織田も律を見ていたのかすぐ真横でそんな声が聞こえた。いや、だから近いって!!と思うのだが、言えばまた自意識過剰だなんだかんだと言い返されかねないので我慢したが、織田の台詞には少なからずカチンときた。 「うるせー。人間、顔じゃねーんだよ」 「人間、顔だろ。見た目8割」 「残り2割あるじゃねえか」 「2割は金」 「………最低かよ…」 織田の最低発言にドン引きだ。こんなにも美しく気高く儚い容姿なのに、こいつの心は腐ってる。絶対腐乱してる。 「つかアンタらってなに?デキてんの?」 「んなわけねーじゃん!あいつはそれこそお前と同じ、顔が良くて可愛い奴にしか興味ないよ。俺とあいつは…その…親友だ」 親友というセリフを他人に言うのはなんだか少し恥ずかしいな。むず痒い感じがする。 「親友……ねえ」

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