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「…ぃ、…おい!起きろ!邪魔!」 「うぐ!?」 脇腹に鈍い痛みが走り、引っ張られるように急速に意識が戻る。ハッと目を覚ますと、視界には織田の不機嫌そうな顔と天井が写った。 「あれ…?俺、寝てた?」 「床にヨダレ落ちてる。しっかり拭いとけよ、汚ねえ」 「ぅえ!?わ、ヤバ」 言われた様に床を見るとキラキラと光る液体で濡れているではないか。側にあったティッシュでガシガシと拭いて辺りを見渡すと、部屋には既にカーテンが引かれて室内には電気が付いていた。 時計を見ると18時を指している。 「やべー…超寝てた…つーか、今俺のこと蹴った…?」 「床のど真ん中で寝てるアンタが悪い。マジ邪魔」 「邪魔って…確かにな。すまん。……律は?」 制服のジャケットを脱いでハンガーに掛ける織田を見ながら尋ねると、面倒くさそうにこちらを見もせず「まだ部活」との返答。 答えてくれるだけ昨日よりはだいぶマシだ。もしかして朝飯作戦が効いたんだろうか? 「…まあ丁度いいか」 昨日机で寝てあまり寝た気がしないせいか爆睡してしまったようで、何の準備も出来ていない。 でも逆にだいたい律の部活は19時頃に終わるので、今から準備を始めたら出来上がる頃には律も来て良い時間になるかもしれない。 試合が近くなるともっと遅くなるが、先日試合が終わったばかりだと言っていたので多分今日も19時だろう。 織田はネクタイを外しカッターシャツとズボンも脱ぐと黒のズボンに履き替えた。パンツを見られるのも気にすることなく白い肌を露わにするので見ているこっちが慌ててしまう。例え男だったとしても以下省略。 着替え終わった織田はカッターの下に黒いシャツを着ていたみたいで全身真っ黒だ。もっと白とかが似合いそうなイメージなのに…。 そのままソファーに寝転がる。 そして昨日と同様に携帯をいじり出したので、寛ぐ織田を横目に俺もよっこらせと腰を上げた。 「織田はまた夜食わねえの?」 「女子なんで食いません」 うわ、こいつさっきのこと根に持ってやがる。 「…ただでさえ細いのに、そんなんじゃガリガリになるぞ」 「アンタに迷惑かけてないだろ。それともなに?大好きなシンユーのついでに毎日俺の分も作ってくれるわけ?」 「あー、いいよ?別に」 「………は?」 「その代わり次、食材買いに行くときは財布持ってついて来いよ」

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