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「いやぁ、俺も訳わかんないんだけど、多分昨日校内の案内してたのが誤解されたっぽい。あいつ無駄に距離が近いじゃん。それでだと思う」 「……今日の朝も一緒に来てたんだって?そんな仲良かったっけ?」 律の表情が少し暗い。 そこまでもう聞いたのか。というか、やっぱり一緒に登校したのは不味かったか… 多分、律は嫉妬してる。 律が誰かに嫉妬してるのなんて初めて見た。つまりそれだけ織田のことが本気、ってことだよな。 「…顔暗いぞ!朝はちょうどタイミングが一緒だったってだけで、変な意味なんか全くないよ。つか俺たちが仲良くないの知ってるだろ?」 「……そうかなあ」 いつも明るく爽やかな律の暗い表情に胸がざわざわする。 そりゃそうだよな。自分の恋人が友達と噂が立ってるなんて俺だったら耐えられない。考えが浅かったんだ。 俺は視線の下がって行く親友の顔を覗き込む。 律は視界の中に現れた俺にビックリした表情をしたが、目を逸らすことはしなかった。 「律…お前が不安になるなら、俺もう織田とは一緒に登校しないよ?2人で歩いてるのも律は嫌、なんだろ?」 「…………嫌」 ボソリ、と呟かれた律の言葉に大きく頷いた。 「分かった。今日のはほんとにたまたまだったんだ。だからもうそんな顔するな」 「…智ちゃん…」 「それにしたって、お前マジで好きなんだな。律のそんな顔初めて見たよ」 「…うん、だいすき」 暗かった表情が消え、俺に向かって蕩けるような笑顔を作る。 「…!」 自分に言われたわけじゃないのに、自分に言われたと錯覚してしまうような笑顔にドキッとした。 「そ、そっか…良かったじゃん。そんな好きな人と付き合えて。仲良くしろよ」 「んー」 律はいつものように首を傾げながらヘラっと笑う。

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