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危なかった。 まさか律にときめかされる日が来るとは… まあ俺に言ったわけじゃないから、ときめく俺がおかしいのだが。 ただいつもの笑顔に戻った律を見て、ホッと胸を撫で下ろした。 「あっ、そうだ。律!この噂早く誤解だって解きたいから、お前の人脈を駆使して2人が付き合ってるって言いふらしてくれよ。…言いふらすって言葉が悪いな。とにかく、お前らが付き合ってるって分かればいいんだから」 「はーい、わかった~」 「あと当分は俺別行動した方が良くね?その方が分かりやすいよな?」 「それはヤダ」 「なんでだよ」 「智ちゃん友達居ないくせに。そこまでしなくてもいいじゃん~。俺も周りに言うから!」 「……俺も律以外の友達作った方がいいのかな…」 律と別行動するだけでボッチ決定な俺の狭すぎる交友関係に不安を感じる。 「いらないでしょ。…智ちゃんには俺だけで充分~!浮気はだめよ?」 突然のオネエ言葉に全身で引く。律が普段の調子を取り戻したのはいいことだけど、これはこれでウザいな。 「喋り方キモい。あ、あと俺の部屋でイチャつくのはやめろよ!あそこは聖域だと思って違うとこでやれよな!」 「やあだ、ヤれ、だなんて!智ちゃんのエッチ!」 「そっ、そういう意味じゃねえし!茶化すな!」 「うそうそ。ごめんって。分かってるよ~」 「ならいいけど。……てか時間!やばい!チャイム鳴る!」 パッと時計を見れば、あと2分で一限目が始まるという時間だった。遅刻はまずいと慌てて律の腕を引いて走り出す。 俺に手を引かれながら、律は後ろで楽しそうに笑っていた。

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