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俺を見下ろして笑みを浮かべる律。なんだかいつもの笑顔と違うような気がするような…そんなこともないような…なんだろ。 袖を掴んだままこの違和感を何と言葉にすればいいのか悩んでいると、律がふっと表情を和らげる。 いや、元から笑顔ではあったから和らげたという表現は違うのかもしれないが、まるで力を抜いたみたいに見えた。 「…今日のお弁当なーに?」 「弁当?今日は鯖の味噌煮。昨日の晩の残り物だけど…」 「えー、いーなー。一口貰お~」 「……しょーがねーな」 鯖という単語に律の向こうで織田がピクリと反応する。魚好きだもんね。昨日のそんな美味しかったのかね。 袖を離してもう一度律を見上げる。 俺の顔を見降ろし、目を合わせたあと――律はいつものように爽やかに微笑んだ。 「……なーに?相変わらずイケメンって?」 「お、おお。イケメンな。うん、イケメンイケメン。腹立つくらいイケメンでつい見いちゃってたわ」 「そんな連呼したら適当なのがモロバレなんだけど」 …うん、やっぱり気のせいか。 先程、目を合わせてくれなかったような気がしたが今はしっかりと視線が合う。爽やかな笑顔だっていつも通りだ。 俺の気にし過ぎかな。

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