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07
「末永ー…は、いるかー?」
「へ?あ、はい!いますいます」
朝のホームルームが終わった直後ハッシー先生がキョロキョロしながら俺の名前を呼んだ。いい加減俺のいる場所を把握してほしい。
教卓にいる先生の元へ小走りで向かうと、先生はいつもの黒縁メガネと気怠げな表情で俺の存在を確認する。
「今日の帰りのホームルームで球技大会の種目分けするからよろしく頼むぞ、委員長」
「もうそんな時期なんですね」
「そうそう。来週だからなー。面倒臭いよなー。席順の紙いるか?」
「いります!お願いします」
面倒臭いって言うのは多分教師が発していい言葉ではないと思うが。
それでもクラスメートの顔を完全に把握していない俺にとって席順の紙は非常にありがたい。ハッシー先生は、黒い名簿のファイルから一枚ピラッとA4ほどの紙を手渡してくれた。
「助かります」
「いい加減クラスメイトの顔くらい覚えろよ?」
先生にだけは言われたくない。
去年俺の顔と名前が完全に一致したのだって半年くらい経ってからだった。未だに俺はあの日受けたショックを忘れてないからな。
「ところで球技大会って何々あるんでしたっけ?」
「あーーー…その紙もやるよ」
ハッシー先生も覚えてないのかあるいは言うのが面倒臭いのか定かではないが、またもやファイルの中から1枚紙を取り出した。
サッカー、バスケ、バレーにドッチボール、あとは卓球か。
去年は律がバスケにすると言ったのでバスケにしたものの、足手纏いにしかならなかった。律のおかげで何とか勝てたが、バスケは向いてないと再確認したようなものだ。
…今年は何にしようかな。
そんなことを貰った用紙片手に考えていると、ハッシー先生がジーと俺を見ている事に気付いた。
えっ、なに?コワ。
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