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09
放課後、俺は未だにほとんど顔と名前の一致しないクラスメイト達を前に、今期最大の大役を務め上げたいた。
「じゃあ、バレーはこれで終わりです。次、バスケやりたい人お願いしまーす」
バスケは人気のようでバレーよりも多くの手が上がり、俺は手が上がった生徒の名前を順番にチョークで黒板に苗字だけを書いていく。
これが俺の2年になって初の大役。クラス委員長としての初めての仕事なわけだがなかなかに大変だ。
やはりクラスメイトの顔と名前は一致させとかないといけないと身を持って感じる。
ところでさ、これ誰か書記とかしてくんないの?普通いるんじゃねーの?司会進行とメモ係みたいな。ねぇなんで俺1人でやってんの。
と、今更困惑してみたところでもう遅い。
ハッシー先生がくれた席順の紙と見比べながら何とか全員分書き終えた。紙を見なくても分かる律は予想通り今年もバスケだ。ついでに織田も。さらについでに言えば石田くんも。…石田くんの情報は別にいいか。
「ありがとうございます。じゃあ次は…」
その後順調に振り分けが進んで、俺はしれっとドッチボールに名前を書いておいた。人数が基準より少なかったのもあるが、最初に当たってしまえば後は楽できると踏んだ安易な考えだ。
人数が偏ったら面倒臭いなーと思っていたが、結構バランスよく分かれている。
チラリとハッシー先生を見ると欠伸をしていた。
ハッシーめ…!
もうこれでいいよな。
人数多いとこは当日勝手に話し合ってくれるだろう。多分。そう願う。
「先生。終わりました」
「お、やっと終わったか。おつかれー。後で種目順に名前まとめて俺に提出してくれな。席戻っていいぞ」
心ここに在らずだったハッシー先生が、俺の言葉にようやく現実に戻って来たように立ち上がった。同時に俺もそそくさと自分の席に戻る。
律がキョトン顔で俺を見てきたので、小さな声で、なんだよ、と尋ねた。
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