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つーか律全然来ねえじゃん。 早く来てくれないと、織田とのツーショットを噂好きの奴らに目撃されてしまう。割と朝早い時間に来たので今の所、他の生徒とは出くわしていないが、もう面倒はごめんだ。 「ほら、魚だぞ。好きなの選べ」 まるで子供に言うように言うと織田にジロリと睨まれだが、言い返してくることなく小さな鮮魚コーナーに足早に向かっていく。 俺はその間に豆腐を買おうと近くの棚に足を向けると、視界の端にこちらに向かって走ってくる姿が見えた。…やっと来たか。 「智ちゃん、ごめん!お待たせ~」 「律ー、遅いぞー」 「ごめんね~?荷物持つから許して!……あれ、カゴは?」 律が俺の左右を見渡してキョトンとする。 「あー、カゴなら、あっちに…」 視線を後ろに向ける。 ポケットに片手を突っ込んだまま前屈みになりながら、真剣に魚を選んでいる織田が見えた。何をそんなに悩むことがあるんだか、ちょっと面白くてフッと笑ってしまう。 「玲哉?」 「あいつ真剣過ぎるだろ」 笑いながら律に向き直ると、律は織田を見つけたまま珍しく驚いた顔をしていた。 「…なんで、玲哉がここにいるの?」 「なんでって…あいつにも飯作ってやってるから、強制的に参加させた、んだけど…………」 聞いてないの? と最後まで言う前に、やってしまったと気付いた。

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