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一緒に登校しないで、なんて珍しく可愛い嫉妬をしていた律。俺は言われた通り登校したり2人きりで歩かないようには気をつけていたが、そちらにばかり神経がいってしまっていたようだ。 飯作ってる、なんて、嫉妬するに決まってるよな。普通。 慌てて律の腕を掴む。 「ごめん!また俺…!ぜんぜん気ぃ回ってなかった」 「……なにが?」 「え、飯、作るの…嫌かなと思ったんだけど」 「智ちゃんがそうしたいと思ってやってるんでしょ?」 「…………まあ、うん?そうなるのか?」 したい、と言われるとそれはそれで語弊があるような気もするが、違うとも言い切れない。売り言葉に買い言葉で勢いもあったけど、華の男子高生が晩飯を食わないなんて言うんだぞ。俺の性格上気になるに決まってる。 「律は…嫌じゃないのか?」 恐る恐る尋ねると、律は腕を掴んでいた俺の手を上から握り、そっと離した。 「…世話焼き」 嫌とは言わずに律は少し拗ねたように呟いて、そのまま俺から離れた。離された手が行き場を失って、中途半端に宙に浮く。 どこへ行くのかと目で追うと、当たり前のように織田の元へと振り返ることなく歩いて行ってしまう。 そして律が現れたことに一瞬驚いた織田の横に並び、さり気なく持っていたカゴを取り上げる。 ああいうところがモテるんだろうな…と遠目に見て思った。 あっという間に離れて行った律にほんのちょっぴり寂しさを感じたが、気持ちの大半はホッとしている。 ご飯作るなんてヒドイ!俺の恋人なのに!智ちゃんなんて知らない!なんて言われたらどうしようかと思った。 というか最近の流れからすると絶対言われると思ったんだか、意外な反応だったな。

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