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そんなわけで、俺は早速バスケットボールの試合が行われている体育館に向かっていた。
ちなみに体育館ではバスケ、バレー、多目的ホールに卓球、サッカーとドッチは外、といった具合に分かれている。
体育館に近付くにつれて、歓声や声援、ホイッスルやボールが床に跳ねる音、シューズが床を蹴りキュキュと鳴る摩擦音など、とにかく盛り上がっている様子が聞こえて来た。
今どこの学年のクラスがやっているのか分からないので、俺は取り敢えず二階の観覧ができる場所へ移動して、空いているベンチに座った。
うちの高校は男子校らしくスポーツにも力を入れているので無駄に運動系の設備が整ってる。
そうなると全員強制入部させられそうな気がするが、そんなこともない。向き不向きがあることはきちんと考慮されていて、勉強の方で頑張るとハッシー先生に宣言し部活には入らないで済んだ。
ちなみに、俺が意外と真面目に予習をしたりしているのはその為だったりもする。
「さて、律と織田は…と」
階下に広がる暑苦しい程の熱気に、バスケにしなくてよかったーなんてしみじみ思いながら見渡すと、タイミング良く俺たちのクラス――つまり律達の出る試合が始まるところだった。
途端周りに居た生徒達がわらわらとベンチから離れ、できるだけ前に行こうと手摺りのある場所に集まりだす。
別にどこで見ようと見られるのに、こいつら何してんだ…?なんて、とぼけた事は言わない。
俺は去年身を持って体験したのだ。
本校での律の人気とやらを。
「律くんだー!律くん頑張ってー!」
「律くーーーん!格好いいー!」
「律くん相変わらず素敵だよね…アアー…あの腕に抱かれたい」
はい、出た。律ファンの可愛い系グループ。言わずもがな男子だけどな。抱かれたいと声に出して言える根性が凄い。ある意味尊敬する。
声変わりしてないのか、作ってるのか俺はただそこだけが気になる。
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