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律とくだらない話で戯れていると、階下から試合の終了を知らせる音が聞こえた。 「あ、決まった」 言葉通り決勝戦の相手も決まったようで律が席を立つ。 「あー!村チン負けてんじゃん!体育館100周決定だねー」 律の言う村チンがどれかは分からないが、多分あの床に両手両膝をついてこの世の終わりみたいになってるのがそうだろう。 可哀想に…顧問から怒られた挙句ペナルティーまで課せられるなんて、運動部怖い。体力に自信ある奴からして体育館100周がどれほどの体力を必要とするのか分からないが、俺からしたら地獄だ。 立ち上がった律はキョロキョロと辺りを回して、ん~と首をひねる。俺も同じように立ち上がって律を見上げた。 「織田だろ?俺、探してくるよ」 「あー、大丈夫大丈夫。こんだけ帰ってこないんだから多分保健室で休んでるんでしょ。可哀想だし俺だけで行くよ」 「俺はもう出ないぞ!?」 決勝戦でなんて使い物にならないに決まってる。もう本当にバスケは懲り懲りだ! 俺の必死な顔で察したのか律が苦笑して、俺の頭をポンと叩く。 「わかってるよ~。智ちゃんはしっかりここで俺の勇姿を見ててね」 そう言うと律は軽快な足取りで階段を降りて行った。 「……よし」 俺はと言うと、見ててねと言われたがやはりどうしても織田の行方が気になって仕方ないので、律には悪いがそっと観覧席を抜け出ることにした。 試合の始まる音と応援と歓声が聞こえる賑やかな体育館を後にして、俺はとりあえず保健室に足を向ける。律の言うことが正しければ織田は保健室で休んでるはずだ。 この前場所も教えたし一人でも行けるとは思うがどうだろう。別段方向音痴でもなさそうだけど… 「……ん?」 保健室に向かう途中、前方から何やらフラフラと足取りの怪しい生徒が歩いてきているのが目に入った。 あの華奢な体つきには見覚えがある。 「薫くん?」

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