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02
目を覚ました途端にこれだよ。どう思う?ほんと可愛げねーよな。
「何が嬉しくてお前のストーカーなんてしなきゃなんねーんだ。ただでさえ部屋も教室も一緒なのに」
…よく考えたらほぼ丸一日一緒じゃん。
離れるとしたら織田が部活に行ってる数時間だけで、約20時間程は寝食を共にしていると言っても過言ではない。律より多い。マジかよ。
「じゃあなんでアンタがここに居るんだ。普通こういうのって恋人が現れたりするんじゃねえの?」
今まで気付かなかった事実に愕然としていると、織田が寝転がったまま足を組んだ。凄く偉そうな感じがしてちょっとムカつく。
「律じゃなくて悪かったな!生憎律は今決勝戦で手が離せないから俺が来てやったんだ。有り難く思え」
「…あ、そ。じゃあ、アンタでもいいや。ちょっとそこの湿布取って」
反動をつけてガバッと起き上がった織田はベッドの上で胡座をかきなが、奥の棚を指差した。ポリポリと怠そうに頭をかきながら、という美少年に有るまじきおっさんぶりだ。
「湿布?」
そんな織田の態度にゲンナリしつつ、言われた通り棚に向かって湿布らしきものを手に取る。
勝手に使っていいのかな。まあ備品は使うためにあるからいっか。管理すべき人間がこの場に居ないのが悪い。
先生が聞いたら怒りそうな理由を並べて、織田の元に戻るといつの間にか奴は上半身裸になっていた。綺麗に筋肉のついた滑らかな肌が目に飛び込んできてガタッと態勢を崩す。
「うわっ」
「喜ぶなよ」
「誰が喜ぶか。俺は毎日お前のパンツ姿、目にしてんだぞ」
上半身裸なんて見慣れたもんだ、と言いたかったんだけどこれだけ聞くと意味深すぎるな。
ただ突然の肌色にビックリしただけだ。呆れ気味に返すと、織田は特に反応もせず俺に背を向ける。
「アンタはいちいち反応がうるさい」
「反応がうるさい!?喜怒哀楽が豊かだと言って欲しいね!」
「はあ」
「はあ、じゃねえ!なんで俺が呆れられてんだよ!そもそもそれが人にモノを頼む態度か?んなことばっか言うんだったら貼らねえぞ」
今、主導権は俺にある。強気で言い返すと織田はクルリ、と顔だけこちらに向けた。
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