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「か弱い同室者がガチムチに容赦なく接触されたの誰かさんもしっかり見てた筈なのになあ?そんな冷たいこと言うんだ」 聞くからに棒読みだし誰がか弱いって?と聞き返したくなるが、非情だと言われているようで僅かに心が痛む。 「……その手には乗らないからな?」 「親友の恋人が困ってんのになあ」 恋人の親友は他人なのに、親友の恋人は他人じゃないのかよ。日本語って難しいな! 「あー!もう分かった!分かったよ!貼ればいいんだろ?…ったく、どこが痛いんだ?あいつら遠慮なしだったし、筋でも痛めたんじゃないの?」 ベッドの端に腰掛けて湿布の透明なフィルムを剥がしていると、俺に向けていた背が小刻みに震えているのに気付いた。 「そっ、そんな震える程痛かったのか…!?」 青冷める俺をよそに、背中越しに笑い声が聞こえ、そのまま織田は体を震わせながら笑い出した。以前も一度だけ見たことのある、こいつにしては珍しい爆笑ってやつだ。 突然笑い出した織田に気でも狂ったのかと引いていると、再び肩越しにこちらを振り返る。何が面白かったのか嫌味のない笑顔の美人に、心底悔しいがドキッとしてしまった。 「アンタさ、チョロいって言われない?」 「………そんな皮肉ばっか言うんだったらホントに湿布貼らねーぞ」 「とりあえずここと真ん中らへんに貼って」 「あ、はい」 さっきまで爆笑していたというのに、あっという間にいつものふてぶてしい表情に戻って俺に貼る場所を指示してくる。 仕方なく言われた場所にひんやりとする湿布を貼ったが、織田は冷たさに驚くことも身をよじらせる事もなくただ俺に身を預けていた。

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